劇場公開日 2000年4月22日

ヴァージン・スーサイズ : 映画評論・批評

2000年4月15日更新

2000年4月22日よりシネマライズほかにてロードショー

リック・ムーディの小説を映画化した「アイス・ストーム」には、閉塞的な70年代を背景に郊外の家族が描かれているが、その家族への視点は印象的だった。家族の亀裂や崩壊を描くということは、その前提に家族があるわけだが、この映画では、家族は最初から一戸建に押し込まれた他人の集まりなのだという覚めた意識がどこかに漂っていた。

大学時代ムーディと友だちだったユージニデスの小説の映画化で、同じ70年代の郊外の家族を描くこの映画にも、ドラマはまったく異質だが、それに共通 する空気がある。

13歳の末娘の自殺は、中心のない郊外に特別な磁場を作る。まだ無邪気な隣人の少年たちは、その理由がわからないがゆえに姉妹に好奇心と憧れを抱く。しかし姉妹はすでに、彼らの理解を越えた世界のなかにいる。

自殺した少女、そして彼女と精神的な繋がりを持つ姉妹には、家族や繰り返される郊外の生活がすべて見えてしまい、心の奥は年老いている。男の子を家に招待してパンチを飲んだり、下着に好きな子の名前を書いたり、ダンス・パーティに行くことは、少女として確かに楽しい。しかし彼女たちには、それが遠い過去の出来事のようにも感じられるのだ。

(大場正明)

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む
関連DVD・ブルーレイ情報をもっと見る
「ヴァージン・スーサイズ」の作品トップへ