ゾンビのレビュー・感想・評価
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ゾンビ映画の基礎
ジョージ・A・ロメロの前作「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」で既にゾンビの基本ルール[走らない][喋らない][考えない]は出来上がっているが、全世界にゾンビ・ブームを巻き起こし、今日まで続くゾンビ映画の基礎となったのが本作です。
「ナイト・オブ〜」以前からゾンビは存在していたのだが、それはハイチで人を仮死状態にして奴隷として扱うためで(「ゾンビ伝説」に詳しい描写あり)、死者が甦って人を喰う設定にしたのはロメロ監督です。
ロメロはゾンビ・シリーズ全てに社会的なメッセージを込めており、本作もショッピング・モールに生前の習慣で集まってくるゾンビを指し、大量消費社会を揶揄しているが、そんなメッセージよりも、ショッピング・モールを4人で占拠し、好きなものを食べたり、着たり、遊ぶ姿を見るたび、自分も1度あんな生活を体験してみたいな〜と単純に心が踊ってしまう(笑)
そして、この作品の成功はトム・サビーニの特殊メイクにあるでしょう!
彼の徹底したリアルな人体破壊描写が、クライマックスの暴走族VSゾンビで最高潮を迎え、サビーニ自身も見事な死にざまを見せてくれます(笑)
主人公ピーターのセリフ
「地獄が人でいっぱいになると、死者が地上で溢れかえるんだ」
劇中、ゾンビの現れた説明が一切されないので、このセリフが妙にリアリティあって恐ろしい。
尚、このサイトに書いてあるストーリーは、オープニングに惑星爆発シーンを挿入し、「惑星イオスの爆発による放射線の影響で、死者が甦った!」とナレーションまで入れてるという、ゾンビ発生の謎を日本独自に解いちゃった「サスペリア版」と呼ばれる幻のバージョンです(笑)
これを観ずしてゾンビ映画を語るなかれ。
ジョージ・A・ロメロ監督。
突然、世界各地で甦った死者達に襲われ、人類はパニックに陥ります。
そんな中、とある町の巨大ショッピングモールに逃げ延びてきた人々の
運命が描かれた作品です。
甦った死者(ゾンビ)に襲撃され、生きたまま喰われる人々の映像は
今観ても十分にショッキングです。
そこに重厚な人間ドラマ・心理描写が加わることで、ホラー映画ながら
名作と呼ばれるまで昇華している作品だと思います。
物語としては、ゾンビ発生の原因もはっきりしないし、
最終的な解決も無いままに終わります。
それが逆に、恐怖感を倍増し、何とも言えない後味の悪さを残します。
ゾンビ襲来を媒介として、人間の残酷さをあぶり出す手法は素晴らしいです。
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