ロッタちゃんと赤いじてんしゃ : 映画評論・批評
2000年6月15日更新
2024年3月22日よりYEBISU GARDEN CINEMA、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほかにてロードショー
小さなスーパー・ヒロイン、再び
あのロッタちゃんがまたやってくる! 大ヒット「ロッタちゃん はじめてのおつかい」で、愛豚バムセとともに日本中の人気者になった、スウェーデンのでこっぱちガンコ娘。今回は自転車でのカーアクション (?) あり、ピクニックでのハプニングあり、夏休みにぴったりのアウトドア編だ。
ロッタちゃんの魅力とは、いわゆる児童映画にありがちな「よい子」のイメージとはかけ離れ、意地っ張りで自立心に富んでいるところ。今回はヘソ曲がり度もぐんと増し、ほとんどビッチ?「お兄ちゃんたちみたいな二輪車がほしいよぉ」とゴネる彼女と、「まだ早いわよ」と許さない気丈なお母さん。大小ビッチ対決 (!?) もある。そんな緊張をやんわりほぐすのが、お人よしのお父さんと、お隣のベルイおばさん。お兄さんとお姉さんは、妹の強烈な個性の陰で目立たないが、ときに“ミニ両親”となってケアしてくれる。まったくロッタちゃんは幸せものだ。
おまけに、北欧の夏の美しいこと! 最近「太陽の誘い」というスウェーデン映画でも短い夏を惜しむような光、野の花、小鳥のさえずりが印象的だった。ロッタちゃんのキュートなサマードレスとともに、スウェーデンの豊かな自然もお見逃しなく。
(田畑裕美)