續姿三四郎のレビュー・感想・評価
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続編と見るから駄作の様にどうしても見えてしまいます。 しかし、これ...
続編と見るから駄作の様にどうしても見えてしまいます。
しかし、これが敗戦を見据えた映画だとすれば、黒澤明監督のアイロニーのうまさを感ぜずには得ません。
正式な公開は1945年の5月となってますが、その3ヶ月後に日本は米英相手に負けてしまいます。このアメリカのボクシングのシーンはチャプリンの映画のようでもあります。
チャプリンに並び称されるべき人だと黒澤明監督を思います。
それだけでなく、イデオロギーを上げれば、国家によって作られたナショナリズムでなく、日本人本来のイデオロギーを持つべきだと言っています。戦後のアメリカに負けた大和民族の行く末を既に黒澤明監督は予見しています。社会学者としても芸術家としても大変に日本人ばなれした人物だと思います。三島由紀夫先生のようでもあります。
SANSHIRO SUGATA PART2‼️
わが敬愛する黒澤明監督のデビュー作「姿三四郎」の続編‼️前作同様、痛快娯楽作品‼️製作年は昭和20年‼️敗戦の年にこんな娯楽作品撮ってるなんて、さすが黒澤監督、スゴいですね‼️今回は三四郎の成長はもちろんなんですが、敵役である檜垣兄弟の造形に力が注がれているような気がします‼️特に弟・源三郎は能楽を意識したような白塗りで、何考えてるかわからない不気味さがある‼️アメリカ兵を投げ飛ばしたり、雪の中での決戦など、見せ場満載‼️終盤、小夜の夢で微笑む三四郎の寝顔を見て、源三郎が殺意を無くすシーンや、ラストの夜明けの三四郎の笑顔など、強さの中に三四郎の優しさが際立つシーンで、ホント微笑ましい‼️第一作に比べると世評はあまり良くないですが、私はケッコー好きです‼️
黒澤明に通低するエンターテイメント性や人間讃歌って、一体何なんだろ...
黒澤明に通低するエンターテイメント性や人間讃歌って、一体何なんだろう。邦画の王道というか東宝的というか。王道となると他の映画でも見掛けそうなものだけど、黒澤明にしかない。特に最近の邦画から消失している。
やはり黒澤監督と言うべきなのでしょう
残念ながら、今一つ成功作とは言えません 黒澤監督らしい映像もなくはないのですが、カメラも構図も演出も冴えはあまり感じられません それでもラストシーンの吹雪が止み快晴の朝日を満面に浴びる姿三四郎役の藤田進のアップの笑顔は見事だったと思います これが無ければ悲惨でした これぞ会心のシーン、野球ならば9回裏の逆転ホームランでした やはり黒澤監督と言うべきなのでしょう
黒澤監督の優しさ
前作で描かれた「勝利することの悲しさ」というテーマを更に踏み込んで描いた今作。雪山での決闘は勿論ですが、ラストシーンが非常に心に残ります。自らが柔道の戦いに勝利することで、相手には恨まれ更に敵は増えていく…悩み苦しみながらも決闘を終え、倒した相手を介抱する三四郎の優しさが心に染みる。川の水で洗った顔を上げ、朝日を見て清々しい顔をする三四郎の顔のカットで物語は幕を下ろすわけですが、このカットから何か黒澤監督の「それでも僕は君を見守ってゆくよ」とでもいうような声を聞いたような気がします。
多分三四郎はこれからも多くの敵と闘い悩み続けるのだろうと僕は思います。だからこそ一旦の闘いを終えて肩の荷が降りた気持ちの三四郎の表情と、それを監督が祝福するかのようなラストに嬉しくなってしまいました。
三四郎の師匠の「闘争とは真の統一までの道程である」という言葉にも膝を打つ思いです。見事な締めくくり。
関係ないですけど「勝利することの悲しさ」って、なんとなく『ゴジラ』を思い出します。邦画イズムなんでしょうか。自らの存在が敵を生み出しているという点では『アメイジング・スパイダーマン2』なんかそんなテーマでしたね。
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