「石橋は口半開き」そろばんずく いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
石橋は口半開き
『2018年の森田芳光 〜森田芳光全作品上映&史上初!ライムスター宇多丸語り下ろし〜』での鑑賞
確か今作品で木梨と安田成美は出会ったというトピックスしか記憶がない作品。
初めて鑑賞したのだが、まぁこれがなかなかのアナーキーな内容となっている。実験的というか、観念的というか、監督のアイデアだけでパッチワーク、又はそれこそ劇中にあるパズルのように作られている作品である。とんねるずに一切のアドリブを禁止したという逸話は本当なようで、ならば、なぜにとんねるずを起用したのかという疑問が湧くのだが、ま、これもまた魑魅魍魎の芸能界の産物なんだろうなw
内容はともかく、その表現の多用さは尊重すべきだし、きちんとそれは守られるべきなのだろうと感じる。これを否定してしまうと、sれこそ、売れる作品以外は映画では産まれてこないディストピアが現実となるからである。映画はその時の時代の空気を具現化しているものかもしれないけど、きちんと記録に残るメディアでもある。後からその評価が変わることも充分あり得るので、安易に感情的に評価すべきではないという典型なのではないだろうか。表現の自由というものを享受する我々がそれを受容れる度量の深さを改めて肝に銘じる作品である。
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