「“覚悟を決めましょう”と言わせてみたかった想いがフツフツと…」それから(1985) KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
“覚悟を決めましょう”と言わせてみたかった想いがフツフツと…
想いを寄せつつも片想いで終わった相手を
思い出しながらの鑑賞となった。
この作品の二人は相愛ではあるが、
男の未練を残した想いには共感出来る。
私も若い頃は、寅さん風に言うと
「思い起こせば恥ずかしきことの数々」
といったレベルで、とても想いを寄せる人
への対応を優先する生き方は出来なかった。
代助は知識人ではあるものの、
食べるために仕事をするから上手くいかない
と豪語する位だから、勘当後は、
貧しい生活を営むしかないだろうし、
三千代との新たな関係でも
上手くいくことはないだろう。
原作でもラストシーンは
暗たんたる先行きを暗示するばかりだ。
しかしながら、
不幸に突き進む代助とは言え、
愛する女性と添い遂げようとの生き様には
羨望の念をいだかざるを得ないことも
なくはない。
原作に絡む話だけになってしまいましたが、
映画の方は、硬い語り口調に
明治と言う時代性を感じさせようとの
演出手腕を感じつつも、
雰囲気はピッタシながら
上手いとは言えない藤谷美和子の演技と、
画面の切り替えと繋ぎにおける
ぶつ切り的な編集処理には違和感を感じた。
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