パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト : インタビュー
続編はやらないことで知られるジョニー・デップが、初めて再演することになった海賊ジャック・スパロウ。「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの爆発的な人気を支え、同時にデップ自身も愛してやまないジャック・スパロウのキャラクターについて、語ってもらった。(聞き手:佐藤睦雄)
ジョニー・デップ インタビュー
「このクレイジーなキャラクターを再び演じるチャンスは大歓迎さ」
──「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」はあなたにとって初めての「続編」ですね。ジャック・スパロウ役を再び演じたということは、かなりお気に入りの役なのですか?
「“続編に出るか?”と訊かれたのは、確かにこれが初めてなんだ。このクレイジーなキャラクターを再び演じられるチャンスだと思ったから、僕としては大歓迎でね。もう一度ジャック・スパロウ船長を演じてみたかったんだ。なにしろ、お楽しみがたくさんあるのは約束されたようなものだからね。大部分の撮影を終えたけれど、実際、とても楽しんでやれたよ」
──映画を見ると、ジャックはますます「スター・ウォーズ」シリーズのハン・ソロのようなキャラクターに近づいていますね。ハン・ソロはジャックの役作りをする上で影響はありましたか? また、かつての海賊映画のスター、エロール・フリンの作品の影響はありましたか?
「ハン・ソロ? 僕にはよくわからないけど、スクリプトに手を加えていった脚本家たちは、僕と同じように『スター・ウォーズ』シリーズを見て熱狂して育った世代だからね。物語を構成していくなかで、多少なりとも影響を受けているかもしれないね(笑)。もうひとつの質問はなんだっけ? エロール・フリンか。実は(ジャックを演じるにあたって)2人の人物をモデルにしているんだけど、その2人がエロール・フリンとバート・ランカスターなんだ(※注1)」
──「3」で、大好きなキース・リチャーズ(ローリング・ストーンズ)との共演になりますね。
「キースとの関係はとても面白くてね。彼はいつも僕のギター・ヒーローだった。少年だったころ、キースのようにギターを弾くマネをしてたんだ。彼を崇拝しているし、こんなチャンスに恵まれるとは、とてもラッキーだったね。何年か前、彼と数時間一緒に時を過ごしたことがある。彼はとても大好きな人だし、偉大な友だちで、ヒーローで、人間としてもとても尊敬できる存在なんだ。僕にとって彼の存在は多くのことを意味するんだよ。だから『3』の残りの撮影はとても楽しみにしてるんだ」
──キースの役どころは?
「どのような方向性になるかまだわからないんだけど、なんらかの形でジャックと関わるキャラクターになると思う。そして彼とジャックの間には、なんらかの過去の出来事があるんだ。いずれにしても、とても重要な役どころだよ」
──ご自分が演じたキャラクター以外で、これまで作られたすべての映画のなかから演じてみたい役柄を3つ挙げてください。
「ひとつは、絶対に『ゴッドファーザー』(72)のマーロン・ブランドだね。もうひとつは『狼たちの午後』(75)のアル・パチーノ。あとは、『ウィズネイルと僕』(87)のリチャード・E・グラントかな(※注2)」
※編集部注1:エロール・フリンは「シー・ホーク」(1940)など海賊映画が有名。バート・ランカスターは「真紅の盗賊」(52)で海賊を演じている。
※編集部注2:「狼たちの午後」のアル・パチーノ、「ウィズネイルと僕」のリチャード・E・グラントはともにゲイ・キャラクター。マーロン・ブランドとは「ドンファン」(95)で、アル・パチーノとは「フェイク」(97)で、リチャード・E・グラントとは「ティム・バートンのコープスブライド」(05/声の出演)で共演している。