劇場公開日 1999年11月27日

「マフィアの高齢化!?」ゴースト・ドッグ 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5マフィアの高齢化!?

2021年7月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

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≪JIMJARMUSCHRetrospective2021≫

ジャームッシュだからこそ許される、このシュールで破茶滅茶な世界観。

スコセッシの「グッドフェローズ」に出て来るような年老いたギャングが所狭しと息をハァハァ言わせながら暴れ回れないコミカルさ、武士道をテーマに"葉隠"や"羅生門"を引き合いに流れる音楽はHipHopとジャンルをゴチャ混ぜに、フランス語と英語での噛み合わない会話が通ずる和やかさ、ジャン=ピエール・メルヴィルや鈴木清順へのオマージュ、最後の殺し方は「殺しの烙印」まんまと言っても過言ではない、屋上のインディアンは「デッドマン」のノーボディだし、レイモン演じるイザーク・ド・バンコレは「リミッツ・オブ・コントロール」で殺し屋役を。

サムライを意識しながらも刀を振り回す殺陣シーンは皆無、まるで刀を扱うかのような銃の所作、怒りに火が付く理由がマイク・タイソンと同じだったり、斬新で意表を突く呆気ない展開とツッコミ所満載な演出描写、こんなに自由奔放に映画を撮れる監督はジム・ジャームッシュ以外には存在しないと断言!!

万年 東一