劇場公開日 1999年12月23日

ブレア・ウィッチ・プロジェクト : 映画評論・批評

1999年12月15日更新

1999年12月23日より渋谷東急ほか全国松竹・東急系にてロードショー

全米震撼、業界騒然。噂のホラーが遂に!

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噂の「ブレア・ウィッチ」である。

WEBや雑誌ですでにご存知のごとく、今年最大のオバケ、じゃない、大バケ映画。製作費3万ドルのインディ映画が興収1億4000万ドルを稼ぎだし、WEBを駆使したプロモーションも注目の的。映画の虚実をめぐって物議はかもすわ、ともかく話題性満点だが、「映画」としてはどうなのか?

ブレアの魔女(ウィッチ)伝説に関するドキュメンタリーを撮りに3人の映画学科の学生が森に入り、失踪する。1年後、彼らが撮ったフィルムだけが発見される。そこに映っていたものは……!? という粗筋を聞けば、誰もが「見てみたい!」と思うだろう。怖いもの見たさの心理を突く古典的構造。だがこの映画では、謎は謎のまま残される。撮影は役者自身にカメラを持たせ、台詞はすべてアドリブ。プロパーな映画人から見ればド素人的作りだ。しかし、プロパーが逆立ちしても作れない「何か」が、映画全体を突き動かしている。手持ちカメラのグラグラ揺れる画面 に、平凡な学生たちが異界へと追い込まれる迫真性に、その「何か」は確実に存在する。それが魔女の仕業だなどとは言わないが、ともかく「体験」してみなければわからない、前代未聞のホラーである。

田畑裕美

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