劇場公開日 2007年4月28日

「ありきたりなハリウッド映画を期待したら、酷評される映画」バベル ひふみさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ありきたりなハリウッド映画を期待したら、酷評される映画

2013年10月6日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

劇中の日本パートは、日本人にとって受け入れにくい性的な描写があり、賛否両論と言うより、とりわけ嫌悪感から酷評されているように思います。

確かに日本の公序良俗に照らし合わせて考えてみれば、モラルに反していることは誰にでも分かることですし、目を背けたくなる気持ちも分かります。

でも、モラルに反しているから、気分を害するからと言って、この作品を簡単に駄作だと言うには性急すぎやしませんか?

劇中の性描写は、この作品を解釈するための重要なキーだからこそ、徹底した※リアリズムで描かれる必要があったのだと思います。
※(日本社会がどうとかではなく、人の性に対する意識について)

それゆえ、日本のパートはとても重要に思えたし、物語のラストに持ってきたことにも作品を象徴する上で特別な意味があったように思います。

この作品は、スカッとした爽快感のある映画ではありませんが、緻密で精巧、随所に様々な視点を含んだ良い作品です。

ひふみ