バベルのレビュー・感想・評価
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難しい映画
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エジプトだったかどこかの奥地で、農民が銃を手に入れる。
そしてその2人の小さな息子がその銃で遊んでて、
まさか当たらないだろうと思って遠くのバスを狙うと当たる。
結局現地の野蛮な警察が捜査に来て、親子は逃げるが、
結局追いつかれ息子が反撃、銃撃戦の末息子死亡。
一方バスにはブラピ夫妻が乗ってて、その妻に弾が命中した。
途中の村に立ち寄って仮治療を受け、大使館経由でヘリを待った。
が、なかなか来ない。そのうち他の乗客らが怒り出した。
必死で説得するが、結局バスはブラピを置いて勝手に出発した。
しょうがなくこの妻は麻酔なしで手術を受けざるを得なくなり、
無理やりブラピらで押さえ込んで実行、一応成功する。
ブラピ夫婦の留守の間、子の面倒は黒人のメイドが見ていた。
が、自分の息子だか弟だかの結婚式に行った時にトラブルがあり、
悪くないのに警察に追われ、不法入国してたことがバレる。
さらにブラピの子供を誘拐したかのように疑われるわ、
ブラピの子を連れて砂漠地帯を死にそうになりながら彷徨うわ・・
結局全員警察に保護されるが、メイドは強制送還。
なお全ての原因を作ったこの銃は日本人役所広司のものだった。
エジプトかどっかに行った時にお礼に猟銃をガイドに渡していた。
このことで日本人警察が役所を調べる。
役所には高校生の娘の菊池凛子がいたが、妻は自殺していた。
刑事が役所宅を訪れた時に娘だけがいた。
そして裸になって刑事を誘惑しようとした。
このように微妙に絡み合った4つの話が並行して進行する。
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どれも何となくブラックな話。
菊池凛子が高校生の役だったことに驚いたけど、
急に裸になって出て来たのにも驚いた。
何故そうするのかようわからんかったし。
親父を失って1人になりたくなかったとしても、それでもなあ。
あとブラピが何でバス行かそうとせんかったんかも不明。
結局ヘリが来たし、そもそも車くらい大使館が用意してくれるだろう。
噂には聞いてたが、全体的に解釈が難しい映画だった。
人間の利己性にスポットを当てたかったのだとは感じたが。
人類の未来
旧約聖書の「バベルの塔」をモチーフにした物語ですが、想像以上に重苦しい話でした(汗;)。聖書に詳しくないのでざっくりとした理解ですが、天まで届く塔は、言い換えれば、神の領域まで進歩しようとする人類のシンボルで、その行為を快く思わなかった神が人々が結束しないように言葉が通じない世界を創ったという故事がこの作品のベースにあるのでしょう。元々1つだったはずの世界がバラバラにされて、今作ではアメリカ、メキシコ、モロッコ、日本という国々での出来事がバラバラに描かれます。本当にバラバラに描かれるので、「一体、何?」と迷子になるのですが、そこに明確な意図があるので、あとになって納得できます。バラバラに見えていたものが実は繋がっていたということが徐々に判ってくるのですが、そのこと自体はいくらでも作文できるので驚きはありません。見所は、そのことが人類の現在、あるいは未来にもたらす意味にあるように思え、ずっしりと重かったです。バベルの故事に思いを馳せると、神によって分断されているから異国の地で言葉が通じず、諍いが起き、不安や不信感を感じたり、不法入国者として逮捕されたり、言葉が通じる夫婦や親子間であっても心が通じなかったりする、そんなシーンがたくさん描かれます。なぜ、神がそんな風に人間を苦しめるようなことをしたのか、そもそも、なぜ神は人類が結束して進歩するのを快く思わなかったのか、神はいったい何を見通していたのかってことがテーマのように感じられました。しかしながら、久能整くんのように明快な答を言ってくれるわけではないので、スッキリしません。人類はいよいよ生成AIまで作り、言葉の壁を瞬時に乗り越える世界が目前まで来ています。あくまでもバベルの塔を建てようとしているかのような人類の未来はどうなるのか、ということを想起させる作品でした。観ていて全然楽しくなかったのですが、色々考えさせられる作品でした。
これは映画というよりドキュメンタリーとして観ればまだ…
楽しめるというか、観られるか。だがフィクションなのでそれも間違った楽しみ方か…。伝えたいことは分かったが。
運の良し悪しや偶然、運命。一言で片付けてしまうことを膨らませた結果、こんな映画に。つまらなくはないが退屈だ。
あらゆる対比が盛り込まれており、日本(特に当時の日本)を舞台の一つとしたのも分かるは分かるものの、なにかこう必然性というかどうしても掘り下げが深くないためあまり感情が揺さぶられなかった。
公開当時、他の映画を見に行ったらときに本作の予告を見て幼いながら「これは凄そうな映画だ!」と息を呑んだものだが、それから20年弱経過し今観てみると「凄そうだけど、子供の時に観ていた方が良かったかもな」という感想に終始した。
人の優しさを見た
人の手から手へ渡り歩いた銃が、モロッコの山道でいたずらをし、
平凡なアメリカ人の妻が瀕死の重傷を負う・・・
国と国、妻と夫、親と子。
言葉の伝わらないもどかしさはあっても、
すべては一つの糸でつながっている不思議と必然。
アコースティックギターをバックに、
ドキュメンタリータッチのカット展開が人の営みを鮮やかに描き出している。
メキシコの結婚式が人間臭くハチャメチャで面白い。
病院も救急車も無い砂漠の中で、オレの家へ来いと言った一介の男。
ボソッとして愛嬌は無いが、
医者を呼び、手術の介助、通訳、救急車の手はずをするその男。
負傷者に向ける老婆の温かい思いやり。
お茶でもてなす娘の自然さ。
やっと来た救急ヘリでの別れに、
とりあえず差し出した札を受け取らないその男。
この男の一家に、人の良心、躾、の美しさを見て、
豊かな時代しか知らない世代が親になり、
もはや日本から優しさが消えようとしている今、
弱者に対する思いやりを当然のこととして行動できる
モロッコの片田舎の貧しい一家に人の優しさを見てホッとする。
そんな気持ちが伏線となり、
少年の良心がほとばしるラストシーンが涙を誘った。
話題のアカデミー助演賞ノミネートの菊地凛子と、
照明点滅による体調不良については
つとめて知らん振りを決め込んだつもりだったが、
あの『目』の菊地凛子は存在感がありすぎた。
色んな人が地獄みたいな目に合う話
期待してなかったが超オモロカッタ!特に、人生は思い通りにいかないのだ。ツラすぎる。だが、それがいい。例えばメキシコ人の乳母さんや。彼女は息子の結婚式の帰りにエライ目に遭う。マジ災害レベルの迷惑や。各国の人たちもそうだった。日常的なショボい選択をしただけなのに今後の人生がガラリ変わってしまう!彼ら彼女らはコースアウトしそうなマリオカートを真ん中に走らせようとする。逆にドツボにハマる。自分の意図がまったく相手に伝わらない。いや伝わっているのかもしれないけど、相手は応えてくれない。人種の違いや思想の違いというだけじゃない。同じ家族でさえ平気でズレる。人間は他人とズレながら、それでも生きるのだという気持ちをこの映画から感じた。
モロッコ、アメリカ、メキシコ、日本を舞台にそれぞれ別々の物語が進み...
モロッコ、アメリカ、メキシコ、日本を舞台にそれぞれ別々の物語が進み、それがどこで結び付くのか、なかなかおもしろかった。
ただ、さほど大きな結びつきはなく、特に日本との関係はほとんどこじつけのような感じでどうでもいい。
日本のシーンをカットすればもっと高い評価になるかもしれない。
サスベンスフルだけどシュール
三つの話がどうつながっていくのか、サスペンスフルなので大変面白いとはおもいますが、オチがないまま終わってしまうので、何を言いたいのか不明なところがバードマン同様でとてもシュール。ても、その世界観は嫌いじゃないです。
コミュニケーションとは?
天に届くような塔を作ろうとした人間に怒った神様が人間の言葉をバラバラにし、お互いにコミュニケーションが取れないようにした、という聖書のお話「バベルの塔」。
その「バベル」をタイトルにしたこの映画は、多分、国家間、親子間、夫婦間をメインに、人間同士のmiscommunication と communication を描いたのだと思う。
モロッコとアメリカ(メキシコ)と日本がつながり、夫婦や親子や見知らぬ他人がつながる。
場所も時系列もバラバラにされて組みなおされてるけど、案外わかりやすかった。
日本のシーンを本当に日本で、日本人を使って撮ってるから、違和感なく伝わってきたのかも。
「手」で色々なことが表現されてるのも印象的でした。
(手話シーンだけに限らず)
分断
タイトルはバベルの塔を意味するのかな?
元々は同じ発音、言葉を発していた人間が天にも届くようなバベルの塔を建てようとしたが、神の怒りに触れ、言葉をバラバラにされ、意思疎通ができず分断し、建設を中断したという逸話。
今作では、言語だけでなく、障害者と健常者、さらには心の分断をモロッコで起きたある一つの事件を起点に描いている。
まず、日本を舞台にした外国の作品と比べ、ちゃんと日本でロケしてて、片言で変な日本語もなく、ちゃんと日本を描いてくれてたから嬉しい。さらには日本パートで、監督が描きたかった?分断された人々が再び繋がることができるかという重要なテーマを表現していると思ったから尚嬉しい。
個人的にメキシコパートがテーマ的にいるんかなと思った。メキシコ人乳母がかわいそうやなと思った。だけと、メキシコパートないとエキサイトシーンがなくなって更に退屈🥱になるなと感じた。
Babel
言うまでもなくタイトルの「バベル」は、旧約聖書の創世記第11章に記された伝説の塔「バベルの塔」を指している。人々が天にも届く巨塔を建てようとしたため神の怒りに触れ、それまで一つだった言語を混乱させ、人々を各地に散らして完成を妨げたと言う。同時にそれがいまこの世界に多数の言語が存在する由来でもあるらしい。
モロッコ、日本、アメリカ、メキシコの4地点からなる群像劇。私はおそらく初めてこの映画でモロッコがどんな場所かを知った。全体的に茶色っぽく、娯楽なんて何もなさそうな景色には却ってこの作品に対してノンフィクション性を感じてしまったほど。2006年の渋谷の風景も面白かった。若者たちのスタイリングは特に古臭さとか、「ああ、あそこにマックあったんだ」とかね。そして藤井隆氏の「OH MY JULIET!」を挿入歌にしたのは誰ですか。賞賛に値します。
言葉が通じないことの恐怖を私は感じたことがない。必要に迫られたら、相手と心を通わせることができるだろうか。確かに生きていく上で言葉もとい言語は必要不可欠な存在だけど、言語を操れるだけで果たして人間は万物の霊長だと言えるだろうか?互いの意思疎通を図るためには、表情や抑揚、身振り手振りなどの情報も感受する必要がある。この映画で言えば、ハグすることでも気持ちは伝わりますよね。いつでも物事が前進するために根底にあるべきなのは「相手を理解しようとする」姿勢でしょう。月並みだけど、言語を超越した言語とは「愛」なのかもしれない。
一つの事件がきっかけで、そこから連鎖的に描かれている作品。物語もバ...
一つの事件がきっかけで、そこから連鎖的に描かれている作品。物語もバラバラすぎず、テンポが良く楽しめたが、日本編は必要だったのか、、?と思ってしまう。
日本編はとても見入ったが、もうちょっと掘り下げてほしかった。そうなるとやっぱり映画としてまとまらなくなるだろうし、カットしてもよかったのかなと、、、。
でも全体的に通して凄く面白かった。
人間達の愚かな行いの負のバタフライエフェクト
個人評価:4.4
1つの愚かな行いから、大きな負の出来事を引き起こす。その最初の愚かな行いは銃の所有という点から始まり、銃社会を批判的にも捉え、またその愚行を、人間の欲を積み上げ完成しなかったバレルの塔に準えているのだろうか。
神の怒りに触れる前は、人間の言語はひとつだったという伏線。現代の愚かな人間と、言葉を持たないチエコを対比させ描いているとも感じる。
アレハンド・ロゴンザレスの珠玉の人間ドラマだ。
波紋
DVDで鑑賞(字幕)。
モロッコで起きたとある銃撃事件が思わぬ波紋を呼んで、遠く離れたアメリカ、メキシコ、日本の、一見バラバラな人生を繋ぎ、それぞれのストーリーが絡み合う…
時系列が交錯しながら進んでいきましたが、特にややこしいと感じることも無く、すんなり観ることが出来ました。
しかし、ただそれだけと云う印象が正直強かったです。もしかしたら、私の理解力が足りなかっただけなのかもしれませんが、「せやからなんやねん」と思いました。
142分間、ず~っと退屈でした。ただし、俳優陣の演技はすごかった。中でも菊地凛子が良かった。それを観られただけでも、儲けものだったのかもしれません。
※修正(2022/12/31)
あなたも少数派
「バードマン」を観てから、これもイニャリトゥ監督作品だと初めて知り鑑賞。
モロッコの羊飼い一家、アメリカのメキシコ人シッター、日本の聾唖の女子高生とその父親、そこをつなげる、ブラピとケイトブランシェットの夫婦に起こる事故。全ての事象でポイントとなるのは、「偏見にさらされる」「社会的弱者」。
要因としては、言葉が通じない、理解し合えない、だから壁が生じる。
「社会的弱者」というと、どうしても障害者とか、移民とかの少数派になってしまう。でもそれは誰にでも起こりうることだという事例が、夫婦に起こる事故で、全世界の人が括目せねばならない事例だと思う。全ての人がいつでも少数派になりうるという事は、常に少数派の意見は聞かねばならないという警鐘を感じた。
イニャリトゥ深いね。
映画が伝えたいことは、物理的な結末でなく、、、
高評価つける気満々で来たら、意外と低くてびっくり。(2.9)
公開当時の売り文句は知らないが、Netflixには「その出来事は、4カ国をまたがる様々な現実へと広がりを見せる」とある。そう書くから、この映画が何を描いたものなのか分からなくなるのかな、と思う。
つまり、「事件が広がりを見せていく」のを楽しんだり、「異国の事件が交差して解決されていく」のを楽しむ映画ではない。
(個人的には、解説にストレートに答えや伝えたいことが書いてあるとつまらないので、このぐらいの解説がいいかとも思う。一応、そう観ても話しは繋がるからね)
「Babel」のタイトルは、明らかに、
聖書におけるバベルの塔の話。
かつて人が一つの言語を使っていたところをかき乱され多言語となり、お互いを理解しなくなってしまった、というやつ。
この映画は、その「お互いを理解しない存在」を、
妻と夫、
親と子、
聾唖とそうでないもの…に広げ、描いた者。
好奇心から銃をおもちゃにした少年は姉と結託し姉のハダカを秘密裏に見て父親に怒られていたり、
菊地凛子の衝動的な行動から、
「守るべき宗教観の中でもがいている者と敬虔な者」、や、
「性の壁」も入ってくるのかな。
乳母の話には、権力を持つものと持たないもの。映画公開から13年経ってるけど、トランプ大統領の「壁建設」で、日本人にも伝わりやすい話しになった。
「この映画はコレが言いたかったんだよ!」と、結末を大げさに見せずに終わっているところもいい。何故ならば、この映画が伝えたかったのは事件の経過や結末ではなく、わたしたち観客が観ている時の感情と、最後のハグなのではないか?と思うから。
この映画を観ながら絶対に思ってしまうのは、
「分かり合えればいいのに」「寂しさや喪失感が受け止められればいいのに」という感情。それがきっと、この映画が感じさせたかったこと。
もし周囲に分かり合えない相手がいたら。
もし周囲に意味なく当たり散らしたり無謀なことをしている子がいたら。
そして自分が、もし寂しさの伝え方がわからなくなってしまったら…
いやむしろそんな事ばっかりかもしれない。
この映画が描く通り、
全く知らないところで全く知らない人たちも、
問題こそ違え同じように悩み苦しんで生きているのだ。
そして、ハグ・ハグ・ハグ。
悲喜こもごもあるけれど、よかったね。
…とはいえ、それぞれの事件はつながっているし、それぞれの結末も描かれているので、見方は自由。
日本パートいらないのでは、という意見もあるようだけど、
すごくいいパートだったと思うなぁ..
役所広司さん扮するパパが、モロッコで銃をあげてしまう、っていうのだけは日本人には理解しがたいから、なんとかならなかったのか。笑
日本で、世界で、これは合法なのですかね?
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