劇場公開日 2006年7月8日

「とても面白い。 「ゆれる」理由となる両端の重りともいえる対比が、弟...」ゆれる SUZUKI TOMONORIさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0とても面白い。 「ゆれる」理由となる両端の重りともいえる対比が、弟...

2015年6月28日
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鑑賞方法:DVD/BD

とても面白い。
「ゆれる」理由となる両端の重りともいえる対比が、弟の視点から絶妙に描かれる。
田舎での兄の暮らしと東京での弟の仕事の描写。
兄の部屋と東京の弟の部屋
兄や幼馴染や父の言動と弟と叔父の仕事。
田舎の女と東京の女。
地方都市と東京での仕事現場。
こと対比のさせ方がわざとらしくなく、観る者の意識に自然に入る。
そして、それらが「ゆれる」につながっていることが理解される。
兄弟がなぜそんなことを言うのか?なぜそんな行動をとるのか?(なぜ「ゆれる」のか?)ゆれる両端につながるものは理解できるが、それでも見るものは考えさせられる。ゆれるのはわかるが、一目瞭然ではないからだ。なぜ?が良い按配で残っている。

セリフひとつひとうに意味があり、全てに監督の考えが行き届いている。
うまい構成。うまい配役。
面白かった。

最後に。
キム兄だけ、瞬間、ん?と感じたが、「ゆれる」につながっていない狂言回しとしては、いいじゃないかと思い直した。

SUZUKI TOMONORI