ゆれるのレビュー・感想・評価
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ゆれる。その中で
幼なじみ再び再会した事によって関係が生まれる猛と家の稼業を継いだ兄の稔。
その3人で吊り橋に行くと、幼なじみが橋から落ちてしまった。
それによって兄の裁判が始まった。
物語の冒頭は、コミカルなシーンも多いのに後半にかけて、シリアスのシーンに変わっていく展開が素晴らしきと思いました。
自分が知っている兄とは、別の人が姿を表し始める所に誰なんだ?これは?
弟が自分が知ってる兄ではない。
兄と弟の中で心理的な描写の心の微妙な移り変わりがここまで映し出さているも見応えがあります。
家族であろうと、どこまで信用する事が出来るのか、何が真実であるのか?
何を真実にしようとしているのか?
自分が見たものは、どっちなのか?
最後のシーンの笑ったシーンは、何を意味していたのか?
色々と考えさせられる作品でもう一度観たいと思いました!
ゆれる
香川照之、オダギリジョーの兄弟が正反対でそのあいだで
まさに「ゆれる」感情や状況。
映像での情報量がすごいと感じた。
これが小説ならどう表現されるのだろう。
また観たら違う視点に気づかされそうな映画でした。
香川照之の表情に心がゆれる
香川照之ってこういう掴めない感じの演技が上手いよね。
めちゃくちゃ惹き込まれる。
真面目な兄と遊び人の弟。
兄は橋の上で智恵子を落としたのか、助けようとしたのか。
弟は本当に見ていたのか、兄を庇っているだけなのか。
観ているこっちも思考がずっとゆれる。
衝撃のラストではあるんだけど、解釈が難しい。
最後の兄の笑顔はなんなん。
めっちゃ怖い。
複雑な人間心理
主人公が葬式で実家に帰る。そこには兄と幼馴染(昔の恋人?)がいた。
兄はこの幼馴染のことを人知れず愛していたと思われる。
この女の子が弟の所へ行こうと危険な橋を渡ろうとする。
危ないので止めようとする兄。女の子は突然激しく抵抗した。
とまどう兄・・・その結果、橋から落ちて死亡。
兄がわざと助けなかったという疑惑で裁判になる。
弟は最初は兄の味方だったが、突然法廷での証言の場で兄が意図的に女を助けなかったと言い、有罪となってしまう。
でもこの証言は嘘だった。7年間、罪の意識にさいなまれ、兄の出所の日に刑務所に向かい、再び対面して終了。
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カメラマンとして有能で都会で活躍する弟と平凡な兄。
兄は絵に描いたような善人だが常に弟に嫉妬心を持っていた。
それが原因で喧嘩になり、それを期に弟は態度を翻す。
でも、何故?と思ってしまう。そんなことで兄に不利な証言をするだろうか?
私には理解できなかったが、きっとそういう複雑な人間心理を描いた映画なのだろう。
心ゆれる…ゆさぶられる
家の家業を継ぎ
まじめに生きている優しい兄
家を出て
好きなカメラマンの仕事して
自由な生き方をしている弟
そんな対称的なふたり
この兄弟に事件が起こる
事故なのか…
それとも…殺人なのか…
私たちもどっちなのか知りたくなる
ふたりの顔の表情や
心の描写が素晴らしい
兄は本当のことを言っているのか
ウソを言っているのか
…わからなくなってくる
ここの接見の場面は
三度目の殺人を思い起こす
兄は
お前は好きな仕事して
女にもモテてる
それに反して
俺は何もいいことない
同じ兄弟でもこんなにも違う人生
ある意味兄は弟の人生を羨んで
それに気づかない弟に嫌気がさし
…唾をはいた
(ここは兄の本音だったと思う)
建前で生きてきた兄の人生
おとうとの
しがらみのない自由な人生を…
・・・
拘置所で兄に俺を信じているのか
と言われ
…あたりまえだろう…と
いやいやお前はそうゆう奴じゃない
というやり取りで…
…弟は
兄が突き落としたと主張
(ある意味兄の操るままに)
兄の有罪が決まり兄は刑務所に。
そしてラスト
兄が出所しバス停のところまで
歩くシーン
弟が大声で叫んでも兄に声は届かず
バスを待つ
…兄の微笑む顔が印象的
泣いている
おとうとに対して
兄はやっと俺のことわかってくれたか
と微笑んでいる様に見えた
女優をまた見間違えていたアホがここにおります。
う~ん、エンタメ大作だったり、どーしよもないB級映画が好きな私が如きが観て、おこがましくも評価する類の作品じゃなかったかな。
私的には地味~いな作品でした。
かと言って、途中で観ることを止めたくなったかというと、それは違って。
兄弟が抱えるそれぞれの心の揺れ、相乗効果でのさらなる揺れ。それを観ているこちらまで、ゆらゆらと不安な気持ちの揺れを覚えた作品でした。
検事官を演じる木村祐一の憎ったらしいこと憎ったらしいこと。
一方の弁護士役の蟹江恵三は、台詞よりも表情で心情を演じきるベテランの妙味が素敵でした。
そう言えば、最近とんとお見かけしないなぁ、と思って調べてみると、ほぼ10年も前に鬼籍に入っていらっしゃったのですね。
とことん無知私。
この映画で印象的だったのは、猛と岡島がファミレスで話し合うシーンだったんですね。椅子にくくられた赤い風船の糸が、まさに兄弟を隔てたアクリル板に見えたです。
人なんか、薄い板一枚挟んでしまうと、そんなに簡単に心開いて解り合えるはずもない、という意味で。
きっと、そんなの私の通ぶったデタラメなこじつけだと思うけれど。
さぁ、定期の脱線話です。
猛が乗っていた白い車ってシートベルトが付いていなかったじゃないですか。
気になって調べてみたんですね。「違法とちやうんかい!」と思って。そうすると、着用が義務化されたのって1969年だったです。それ以前には、元々付いていない国産・輸入車があったので、その場合は着用義務が免除されていたんだって。
猛の車を調べてみると1964年型のフォードファルコンステーションワゴンっていう車らしいです。
フォードファルコンって言えばアメ車じゃなくて。オーストラリアの車なんですね。
あえてそういうレアな旧車に乗っている猛って、相当なナルシストなんじゃないのかな?って私には思えて。設定的には普通にレクサスとかBMWとかアウディとかでよくね?
なのに、最後はそれを乗り捨てて、軽トラで兄の出所に駆け付けたシーンは印象深かったです。
バス停に立つ稔に「兄ちゃーん!兄ちゃーん!」と叫ぶ姿は、やっと素をさらけ出した猛の魂の叫びだったのかなぁ…と思って。バス乗っちゃえば、またガラス越しで隔てられるところを、間に合ったのか間に合わなかったのかが大変興味深いラストシーンでした。
車とかをを調べることは好きなのに、演者さんについては、まるでチンプンカンプンなんですよね。
真木よう子を、最後まで吉高由里子って勘違いしていたです。エンドクレジットのキャスト見るまで。
アホか自分。
西川美和監督とか、是枝裕和監督とか、中島哲也監督とか、一つの画面に...
西川美和監督とか、是枝裕和監督とか、中島哲也監督とか、一つの画面にいろいろなメッセージを詰め込む監督の映画って、見返せば見返すほど、新たな側面が見えてきて、一度目と二度目の鑑賞では、見方がガラリと変わることがあるんですが、そもそも人間はそこまで注意深く生きてないもので、一度見ただけでもなにがしかの受け止めはあります。
この映画ならば、兄・弟・女の力関係の移り変わりをどれだけ細かく受け止めるかで、多分、見方は全然違う。
弟が東京へ行くまで、女は多分、絶対的な力のある存在だったのでしょう。だから弟が東京へ一緒に行かないかと誘ったとき、断った。だけど弟が東京へ出て、自分が唯一絶対的な存在でなくなったと気付いたとき、女は戸惑っただろうし、それでも兄の存在は、「滑り止め」的なものだとしても、ありがたかった。ここまでの変化は緩やかで、希望のあるものだったでしょう。
ところが弟の帰郷によって起こされた変化は急激で、三人の力関係を混乱させてしまう。その混乱をどこまで細かく掬い取るかで、見方は全然変わりそうです。
私としては、ただ嫉妬で女を追いかけたとばかり思っていた兄の心に、最後のシーンで、純粋無垢な心配があったのだと気付かされたのがとてもショックでした。
香川照之の最後の笑顔については、私はしごく単純に、
エドガーはユーシスを殺したモノだと思い込んだメリーベルが、復讐すべくエドガーがやってくるのを待ち続けていたけれど、エドガーの顔をみた途端、「待ってたんだから!」と泣きながら抱き付いてしまう
……のと同じに受け取りました。
見てるうちに、兄は香川照之そのものに見えてきて、今目の前で見せられているこの兄の人生が、香川照之の人生なのではないかと勘違いしそうになり、非常に混乱しました。
それなのに誰も、香川照之を「カメレオン俳優」なんて呼ばないんですよね。
やっぱりこの人の代わりなんかいないよなぁ……と思ってしまった。
この映画で改めて天才だと認識した役者がもう一人おります。
田口トモロヲさんです。
あの声だよ。どこから発声してんだ。
書記官は安藤玉恵
映画を本格的に観始めたか、未だそういう思いに抱かなかったのか、曖昧な時期の作品で、でもエヴァーグリーンな作品として一般的に評されている作品だから題名だけは記憶にあった オダギリジョー、香川照之、その他知らない人はいない程の名優ばかりが軒を連ねる、今から見れば百花繚乱な俳優のオンパレードな作品であり、今現在、この人達をキャスティングするとなったらどれだけのバジェット作品になるだろうと恐れ戦くラインナップである
ストーリーテリングも素晴らしく、吊り橋の如く揺れる不安定さをこれでもかと表現したシナリオにぐうの音も出ない出来映えである
長男として役割を演じ続ける事、次男だからと好き勝手に生きて、しかし才能に恵まれた事、そんな兄弟の愛憎が迸るシーンの連続にこれ以上のない"痺れ"を体験したのである 真木よう子の青さ故のエロティシズムをキチンと包摂するオダギリのレベチの官能美 それとは逆の香川の屈折した粘着性漂う演技 ドロドロとまるで魔女が調理する釜で煮染めた毒を醸成するが如く、法廷劇が延々と続いていく 蟹江敬三、木村祐一の芸達者振りはその毒に添加物をガンガン放り込む 尊敬と嫌悪をこれでもかとジャブジャブ投下する希有な内容に、逃げたくなる想いをグッと堪えての上映時間であった
同じ精子と卵子を一にしてもこれだけ人生に共通項が見付からない方向 それでもお互いが血を意識し続ける限りその繋がりは切断できない ラストのバス停の件は唯々二人に幸有れと願うばかりである
シナリオは良いのだが・・・
この作品を女性が見て入り込めるのだろうか?少なくとも男の自分にはいまいち演出過剰に見えるのだが、自分だけの感覚だろうか?配役と設定が合ってないのか、設定と配役合ってないのか・・・カメラアングルにはとても才能を感じるのだが・・・
もやもや感の残る映画。
香川照之の幅の広い演技が光る。身勝手な弟役はオダギリジョーが適役。それが狙い通りなのだろうがもやもやした感じが残る映画ではある。やや冗長。100分くらいにまとめることが出来たのではないか?
こちらの頭もゆれる…
ラストの兄の笑顔はどう解釈したら良いのか。反省した弟の泣き顔を見て、安堵したのか。兄は殺人を犯しておらず、腕の傷があるように事故だったと思う。それを弟は兄への疑いと自分の嘘がバレているという焦りから、意図的にではなく、兄が落とすのを見たと言ってしまったと解釈している。香川照之、オダギリジョーが対称的な兄弟を好演しており、目まぐるしい心情の変化が凄まじい。
静と動
オダジョーが好きなので観た作品。笑
あまり目立って大きな盛り上がりのない作品が好きで、これも良かったな。リアルだなと感じた。
観終わって思ったのは、出てくる景色が限定的で、その分役者さんの繊細な感情の「ゆれ」が静かながらもかいまみえて、余計なものを排除したシンプルさがとても好きだった。
ゆれた
ずっと見たいと思っていた作品。
想像を超えるほど、こころ揺さぶられました。
兄が抱いていた感情は、言葉で表現すると野暮でカッコ悪くて誰も聞きたくないようなものだけれど、この映画では、ゆっくりじわじわとこころに浸透してきて、それが自分の中の隠れていた感情と共鳴した感じ。
そして、弟の無邪気だけど自分勝手な甘えた自我にもまた気づいて行く。オダギリジョーはカッコ良すぎるけど。
家族は、一番近くて一番長く時間を共にする人間だけれども、それぞれの感情は違っていて、なんと言って良いのか分からないけど、悲しくていとおしい。
真実は一つなのに、それを法廷で明らかにすることは本当に難しい。
ゆれる心
起こってしまった事件、猛は目撃していたから真実はわかっていたが、兄を助けるために叔父に弁護を頼む。助けたかったのは事実だろう。だが、面会したり、法廷での兄の態度などから気持ちは変わり、事実を話し、兄は有罪。
まさに心は兄ちゃんを助けたい信じたい。でも腹も立つ、真実を話すことが兄ちゃんの為だと揺れ動く。
7年後、出所する前日に観た過去のフィルムで、兄ちゃんはいつも僕を守ってくれていた事を思い出し、心が揺れる。
人の心理を描いた秀作。
見落としているのか、稔の右腕の大きな傷あとは何を意味していたのか?智恵子の母が返した制服の中の封筒は何?と気になった。
兄弟の良さと複雑さ
香川照之とオダギリジョーの演技が素晴らしかった。
全然違うタイプの兄弟だ。仲の良い兄弟に見えたが、田舎に帰って兄の意中の女性をあっという間にたらしこむ弟。ただ兄への面当てのような誘惑だった。この辺りも複雑な兄弟の心理が浮かんできている。
結局、殺人を犯した兄を救おうとして、反対の行動に出てしまうのだ。偽証という弟のしたことは許されない。
ところが、出所した兄は弟にかすかに笑って見せた。
この時の顔と裁判での弟の証言を聞いている時の顔は、なんとも言えない複雑な心理を表していて、香川照之の俳優としての凄さを感じた。
ただ、全体的に納得感にかけたと思う。なぜ、弟は偽証してしまったのか、父親とはいつからあんなに仲が悪くなったのかなど、この事件がおきてしまうほどの家族の背景がわからなかった。
ゆれるのは吊り橋と心。 真木よう子が吊り橋から転落死したのは事故か...
ゆれるのは吊り橋と心。
真木よう子が吊り橋から転落死したのは事故か香川による殺人か。
オダギリは当初は香川を擁護していたが、香川に罵倒されて証人尋問では「香川による殺人」と虚偽の証言をしてしまう。
その香川も一見真面目で誠実な人柄に感じられるのだが、実は自己を卑下し、キレやすいところがある。
素直に応援できない兄弟だ。
ラストは何となくハッピーエンドっぽい雰囲気にはなっていたが、もう一つすっきりしなかった。
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