劇場公開日 2006年7月8日

「人はゆれながら生き続ける」ゆれる ミツマメさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0人はゆれながら生き続ける

2014年11月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

カメラマンとして成功して東京で派手に暮らす弟(オダギリジョー)と家業のガソリンスタンドを継ぎ老いて怒りっぽい父と暮らす冴えない兄(香川照之)。この二人が法事で久しぶりに会ったことで起こる悲劇を描いた作品。
優しく面倒見が良い兄がひそかに思いを寄せる二人の幼なじみで弟の元恋人の女(真木よう子)を送ったあと部屋で抱いてしまう。その翌日三人で出掛けた渓谷のつり橋で女が転落死してしまう。
事故か殺人か、兄の自白も弟の気持ちも’ゆれる'
兄はどこまで彼女と自分の関係を知っていたのだろうか。
兄も弟も葛藤に悩む。その葛藤を監督はゆれるという表現の映像で細かい描いている。
兄の香川照之の優しくでも怪物性を持ち合わせた演技とプレイボーイでだらしなさを持ってるが才能ありモテ男の弟のオダギリジョーの演技は最高に良かった。
対照的な男の生き方を見るのも面白かった。
兄から平凡な幸せを取り上げてしまった罪悪感に気づき最後は一緒に家に帰ろうと叫んだが兄はかすかな笑みで答える。兄の心の内は?
見ているものの気持ちも答えがなくゆれる。

ミツマメ