劇場公開日 1974年7月13日

「テーマ曲が物悲しさを増幅させる作品」セルピコ アンディ・ロビンソンさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0テーマ曲が物悲しさを増幅させる作品

2023年4月29日
iPhoneアプリから投稿

ロードショーで観たかったのだが観そびれてしまい、
公開後、暫くしてからテアトル新宿あたりで観た。

原作本ありの実話物(現在も邦訳版を所有)。
中学生当時で、警察官=正義の執行者と単純に考えていたので(アメリカの事であるとはいえ)、かなりの衝撃を受けた映画である。

アル・パチーノの熱演と、社会派のシドニー・ルメットが監督と相まって、孤立無援な状況の中でも己の信念を貫き通して次第に想像を絶するような立場に追い込まれて行く主人公、それを優しく包み込んで励ましているかのようなギリシャ系のミキス・セオドラキス氏による音楽と共に忘れがたい、感動作品として記憶されています。

鑑賞後にサントラを探したが国内盤が入手困難になっていて、結局、アメリカ盤LPを購入して愛聴してました。
ついでに、劇中では流れませんが、ペリー・コモによるヴォーカル・バージョンも当時のシングル盤で所有してますが、歌付きカヴァー盤ではありますがとても好きな曲です。
「Beyond Tommorow」のタイトルです。

確かYouTubeで聴く事ができると思います。

尚、シドニー・ルメット氏はこの後、今作の姉妹編的な対をなす作品「プリンス・オブ・ザ・シティ」を監督しています。

この作品、セル、レンタルビデオ全盛時代前に初めてTVオンエアーされた時に喜び勇んで録画したんですが、放送枠の関係上、最初の恋人であるコーネリア・シャープとの件が潔くバッサリとちょん切られていて唖然でした。
それでも、故、野沢那智さまの吹き替えは良かったです。
またTVシリーズ化され「新セルピコ 」のタイトルで放映されてますが、当然、主演はアル・パチーノでは有りません(笑)。

アンディ・ロビンソン