劇場公開日 2005年8月6日

「妖怪大祭り」妖怪大戦争 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5妖怪大祭り

2021年8月18日
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鑑賞方法:DVD/BD、映画館、VOD

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単純

水木しげる、荒俣宏、京極夏彦、宮部みゆきがプロデュースチーム「怪」として名を連ね、三池崇史がメガホンを握り、往年の大映妖怪映画をリメイクした2005年の作品。
リメイクと言っても、ほとんどオリジナルの作品だとか。
にしても、もう16年も前! 見るのはおそらくそれ以来。
勿論、『~ガーディアンズ』に併せての鑑賞。

魔人・加藤保憲が人間に棄てられた機械と妖怪を融合させた機械獣を造り上げ、恐るべき野望を目論む。
対する事になった妖怪たち。それには、大天狗が持つ聖剣を引き抜く事が出来る選ばれし“麒麟送子”の力が必要。
獅子に頭を噛まれた者こそ選ばれた証である“麒麟送子”は、両親の離婚で母の故郷である鳥取の田舎町に引っ越して来たひ弱な東京っ子・タダシであった…。

妖怪と言えば、ホラー…いや、和風的に言えば、怪奇奇っ怪、魑魅魍魎。
でも本作、全くそうじゃないのは誰もが見る前から百も承知。
ギャグ、脱力、シュール、奇想天外、ブッ飛び展開…非バイオレンスの三池演出のオンパレード。
イギリスの魔法使い少年のような、いじめられっ子が世界を救う選ばれし者。何処かで聞いた事あるような、聖剣抜く話。設定や大筋はあるある。
それらを少年のひと夏の冒険、成長、そして妖怪と絡め、日本ならではのファンタジーに仕上げた。

16年も前。今ではイケメン好青年になった神木クンだが、何と可愛らしい…。同性から見てもそう思う。(変態的な意味じゃないよ!)
この頃から演技力も抜群で、他の子役と比べて月とスッポン。…いや、他の子役が下手過ぎか。
昔見た時も思ったが、今回改めて見ても、トヨエツの加藤も悪くない。専売特許である嶋田久作の怪演とは違う、クール系。

本作の一番の話題は言わずもがな、特殊メイクを施して妖怪に扮した超々々豪華出演者たち。
その面子、役者なら若手~実力派~ベテラン、ミュージシャンにお笑い芸人、さらにはプロデュースチームの面々まで。
豪華過ぎて誰がどの妖怪を演じているか、割愛!(←決して面倒臭い訳ではありません、断じて!)

CGも使われているが、さすがに16年前、ちと拙い。
それより特殊メイクや着ぐるみなどのアナログ感こそいい。
クライマックス、日本中から妖怪大群衆が押し寄せるシーンは、ああ日本には本当に沢山の妖怪が居るんだなぁ…と、夢とロマンを掻き立てる。
“妖怪大戦争”ならぬ“妖怪大祭り”!
遊び心もあり。
水木しげるの『ゲゲゲの鬼太郎』オマージュ。
超巨大機械獣が東京上空に飛来した時、ある有名怪獣の名が。この怪獣と“大映”妖怪のリンクが分かる人は通!

“楽しさ”は充分。
…が、作品としては今一つ出来映えや面白さに欠けた。
一応話は通っており、破綻はしてないものの、テンポが悪い。
ギャグとシリアスの温度差も。
この手のエンタメを手掛けた時の三池パイセンの悪い癖。『ヤッターマン』然り『ゼブラーマン』然り。元々ファミリー向けなんだから、娯楽に徹しても良かったのでは…?

まあでも、当時平成の時代に蘇った妖怪たち。
子供たちが『妖怪ウォッチ』の前に少しでも妖怪たちを知るに充分な奮闘した(興行20億円)、妖怪ファンタジーである。

どーでもいい事だが…、
作品を見てた昨日、皮肉にも出演者の雨上がり決死隊が解散…。
闇営業する妖怪って、居たっけ?

近大
kossyさんのコメント
2021年8月18日

調べてみたら、鳥居みゆきの妖怪ユニット「魍魎ズ」が「闇営業もいといません」というアルバムを発表しているそうです・・・w

kossy