セブンのレビュー・感想・評価
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みんな高評価が多いですが…
もっと犯人の犯罪心理を突き詰めていくかと思いきや、事件は思うように進展せず、最後自首した犯人がペラペラと今まで殺して来た人間をなぜ殺したのかを喋って、やっとそこでなぜあの人たちを殺したのか、犯人にとって殺されるべき理由が明確になる。警察側としては犯人が喋り出すまでどのような関連性で殺されていたかは分からなかった。最後の最後まで犯人の思い通りで警察側が完敗という印象。
ラストダンボールが届いた時に、奥さんの頭かお腹の中の子どものどちらかかなーという想像ができてしまった。私がハッピーエンド好きだからかもしれないけど、ブラピ、撃ってほしくなかったなー…。
月曜から日曜までずっと陰鬱な雨ばかりだったのが、犯人のすべての説教が完了するその日は、綺麗な夕日が差し込む鉄塔が並ぶ場所で、映画の雰囲気や空気はとてもいいと思います。
キャッチ・ヒッチコック・イフ・ユー・キャン
僕にとって、あらゆる意味において特別な映画。
中学三年のときに初めてまともに観たサスペンス映画が『セブン』でなかったら、マジな話、僕の人生はずいぶん違うものになっていたはずだ。
この映画は、僕が初めて本気で好きになった映画でもあった。思えば人生のその時点において、僕の映画への嗜好は基本的な方向性を決定づけられたのだろう。
僕にサスペンス映画の楽しさを教えてくれたのはデヴィッド・フィンチャーであり、その傾向を加速させたのがヒッチコックだった。
『セブン』のおかげで、僕は猟奇殺人を扱ったサイコ・サスペンス映画をレンタルビデオ店で見つけると反射的に借りる特異体質になってしまい、掃いて捨てるほどのクズ映画を観るはめにもなったのだが、その負を補って有り余るほど、この映画は素晴らしい。
何十回観たかわからないし、語りつくせない魅力を感じる。
まず、やけに暗い部屋、完璧なカットの切り返し(特にブラッド・ピットとモーガン・フリーマンが酒場で語るシーンの両者の切り返しは奇跡的に美しい)、ポイントで降らせる雨、湿った質感の闇の美しさと、図書館の緑のライトに象徴される逆説的な光の存在感、恐ろしいほど正確なカメラ・ワークという、この時点で既に完成と言って然るべきフィンチャー・アプローチ。
ベテランと若手、王道ながらも完璧な、ピットとフリーマンのキャスティングの楽しさ。過度に踏み込みすぎず、しかし的確に人間を映す、キャラクター描写の巧みさ。
描き方によってはいくらでも単調になり得たはずなのに、巧みに操作され、終始弛緩を許さない流麗なプロット。
七つの大罪、七日間の捜査、それが「怒り」の罪で完結する「セブン」の様式美。本作のラストは、とってつけたようないわゆる「ラストの衝撃」的なそれではなく、大胆な結末を見事に作品の様式美に回収した。その上で、誰しもが肯定せざるを得ないような激烈な感情に身を任せた殺人を是とするか否かという究極の問いを、さりげなく観客に突きつける、サスペンスとしての心地よい底意地の悪さ。
本来リアリティーもクソもないはずの犯人像を、力技で押し切ったケビン・スペイシー=ジョン・ドゥの圧倒的に完成された異常な説得力。
一方で、やけにリアルな登場人物たちの「日常」、極めて自然でありふれた「切実」を提示する、その神がかり的なバランス感覚。例えば、バーでフリーマンに語るピットの迷いと若い意志力。「あんたはそう(世の中が最低だと)思うから引退するんじゃない。引退するからそう思いたいんだ。けど、俺はそうは言わない。言えない」。あるいは、ピットに尋問を受けた風俗店経営者の、「こんな仕事で楽しいか?」という問いに対する答え。「いいや。楽しかねえ。それが人生だろ。違うか?」。そして、ピットの妻に妊娠を告げられたフリーマンの過去。「その日、生まれて初めて怖くなった。『こんな世界に子どもを生むのか』と。それで、彼女に『よそう』と……正直、今でも思うが、あの決断は間違っていなかった。ただ、もし違う決断をしていればと思わない日は、一日もない」。
そして何よりも、おそらくヒッチコックを神と崇めるであろうデヴィッド・フィンチャーという若き男が紡ぎ出した、精密で、破壊的で、暴力的で、魅惑的に美しいカットの力。
ヒッチコックの時代であれ、我々が突き抜けたSF技術を獲得した現代であれ、映画の根本にあるのはカットの力だ。
何もかもが、完璧だ。僕はサスペンス映画というものに、これ以上は何も望めない。
僕は二十歳のときに、こんなメモを残している。
「現代サスペンス映画は、『セブン』でヒッチコックに追いついたのだと思う」。
未熟なメモではあるが、その考えは、今でも変わっていない。
アダムとは"彼"のことです。
銀残しの撮影といい、本編のスピード感といい、ハラハラ感といい、キャストといい、あのラストといい...面白かった!そして記憶に残りました!悪い後味として。でもこれがこの作品が語り継がれてる理由だと思います。
町山智浩さんの映画塾での予習復習のおかげもあり、より楽しめたのですが脚本家は事前の書物調べは相当苦労したんだろうなと、ブラッド・ピットとモーガン・フリーマンを見てて感じました。7つの殺人もミルズの行動も全て神曲やアダムに照らし合わされているところはもう抜けがなさすぎて唸るくらいでした。せっかく3つの殺人は防げたはずなのに、
まさか犯人と奥さんと赤ん坊が加えられ、結局ミルズの手で7つの大罪が完成されてしまうという...あの絶望感はないですよね。
てかケビン・スペイシー、当時はこういう役多かったんだなおいw
あの決着シーン、最後にミルズを守るためにサマセットがジョンを撃つというまさにハリウッド映画っぽい別ラストも用意されてたようですが、ミルズに手を下させることが映画全体の芯を貫いてて素晴らしい結末だと思います!
まあ、後味が最悪なのには変わりないですけどねw
100点!
Oh God
この作品は七つの大罪という「大食」「強欲」「怠惰」「肉欲」「高慢」...
久し振りに
潔い程に救われない
完璧なラストシーン
怖いのもグロいのもビックリするのも苦手なのですが。
最初に30分くらい見て思いました「全然大したことないな」
見終わってから。「やめときゃよかったかも」
やはり、ラスト。最後の最後まで嘘だろと思ってたのに、あっという間に視聴者を取り残してエンドロールになってしまう。後には、特に日本のサスペンスでは絶対ありえないような凄まじい後味の悪さだけが残る。
僕が今まで見たこの手の「怖そうな」映画は、例えるならばジェットコースターのようなもので、スリルの後には安堵がある。犯人は逮捕される。生死いかに、なヒロインやら主人公やらはなんやかんや生き残る。
そうじゃないのだ。そんなものでは俺たちは満足出来ないのだ。
ここには俺たちの望んだ胸糞悪くハードな「完璧なラストシーン」がある。
究極のバッドエンド
7つの事件が起こるとわかってからどドキドキハラハラしながら鑑賞した...
ケビンスペイシー演じる犯人の異常さ
今見たからかも
こういう狂気の殺人ストーリーをいくつか既に見てきたのでなんとなく結末に検討がついてしまったような感じでした。この映画の魅力の1つに最後の結末が大きくあると思うのですが、今の人たちには既出感のあるストーリーだったのではないかと。途中で奥さんが妊娠した時点で、奥さん殺されるか、ラストのラストで子供を抱っこしているブラピが見れるハッピーエンドかどっちかのフラグが立っていたのではないのかなと思ってしまいました。
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