「現代に於いてバッドエンドは有効か?」セブン ノーキッキングさんの映画レビュー(感想・評価)
現代に於いてバッドエンドは有効か?
ジョン・ドウは個人名ではない。名無しの権兵衛の米国版。匿名の犯人、身元不明の死体はみーんなジョン・ドウ。女はジェーン・ドウ。だから犯人の名前は分からない。何処かの誰かさんという呼称はスリラーには打って付けだ。
退職間近の老刑事は己の運命を呪った。七つの大罪に模した連続殺人がおきている。何故、今なんだ!
予見は当たるものの、後手後手に廻った現場で目にするものは、血塗られたおぞましい殺しの様式。犯人の警告に、ただ、ただ圧倒され、打ちのめされる。
しかし、予想だにしなかった“犯人自首”で事態は様相を変える。
雨続きの鬱屈とした空気に閉じ込められていた6日間が明けると、一転、映像空間は、広々とした荒野に展開される。
晴れの午後、鈍い光り、風の色。
ヘリコプターが俯瞰するデリバリーバンの疾走。そう、あの箱だ。ドクンドクンと胸騒ぎが止まない。カメラの視線が3人に収斂する。
箱を見やるミルズ、周到に仕組まれた、最後の罠の標的は自分だったと覚り
すさまじい葛藤に全身が震えだす
挑発する犯人、必死に止めるサマセット。
そして銃声…………
まんまと終わった。
ブラッド・ピット
不可避の状況を演じた、あの、内面をしぼり出すような表情は見事だった。モーガン・フリーマンとの軽重コンビも絶妙。
モーガン・フリーマン
いち早くサイコパスVSプロファイラーの形を印象づけるも、一介の刑事が『カンタベリー物語』や『神曲』を読み込んでいた、という設定には無理があるような……それでも、退職間近の老刑事はピタリとハマっていた。
ケビン・スペイシー
気味悪い毒虫のような気配を漂わせるサイコパス役。自身が信奉する教義を世に知らしめたいという強い欲求が動機なのかは不明だが撃たれる時の表情がいい。
グウィネス・パルトロウ
ビジュアルは良いものの、演技の印象はうすい。
デヴィッド・フィンチャー
エイリアン3がコケた直後とあって、会社側が無難な結末(フリーマンが撃ったことにする)に替えろというのも無理からぬこと。だが、それを突っぱねて、救いようのないバッドエンドを強硬。大ヒットにつなげた。
ノーキッキング
年齢不詳。レビュー投稿半年目のビギナー。恋愛系苦手、しみじみほのぼの系きらい、清く正しく生きる系ウ~ン。社会から排斥されないように、時々はフツーの映画も観るらしい。
30年ぶりに観たが、どの場面もいとおしい。重厚なクラシック曲のよう。コンプライアンスやらレイティングやら喧しいがこの作品が生き残り続けるのは、なんとも喜ばしい。
「ゆきてかへらぬ、のタイトル、すみません。
譲っていただいて恐縮です。
東京は雪ですか?
今年は少ないみたいでしたね。
ノーキッキングさんの、「ゆきてかへらぬ」のコメントが
拒否になっていたので、こちらに失礼しますね。
こんにちは〜
おお、ノーキッキングさんもご覧になりましたカァ。
くたびれましたね(°▽°)
7日目。日曜日。晴れの午後、鈍い光、風の音。
あの荒野に映し出させる三人の姿。
ジョンが着ている囚人服(?)の色が何とも鮮やかなオレンジ色で、あのシーンが映し出されるだけでぇぇぇーーー!!
ほんと、デーデン デーデン デッデッデッデッですよぉーー
_:(´ཀ`)
撃たれる時の表情もこれ又良いんですよね同感ですぅ。。orz
今晩は
「最後の忠臣蔵」へのコメント有難うございました。品性高き時代劇だったと思います。
因みに、今作は劇場では観ていないのですが、凄まじい映画でしたね。あの段ボール箱のシーンは嫌だったなあ。ではでは。