「SE7EN」セブン ゆきさんの映画レビュー(感想・評価)
SE7EN
どこでいつ頃何で見たのかも記憶にないが、何シーンもよく覚えている作品。
今回のリバイバル上映を知り、劇場で観られる機会が訪れた事を喜ぶ自分と、絶対観ない方がいい!と、拒否反応MAXの自分との板挟み。。
で、8割はもう観るって気持ちが固まっているから厄介で、そんなの自分次第なのに、止められなくて困ってしまって泣きそうでした。
ワンワンワン。
結果、やっぱり、
あーーーーーーー(´ཀ`): orz
この後も色々せなあかんのに、もうダウンしてました。。
この作品は、
ブラピの俳優としてのキャリアの転機になった事は間違いないし、当初はサマセット役もミルズ役も他のビッグネームにオファーしたようだが、結局モーガン・フリーマンとブラピが演じる事になったりと、個人的に興味深い作品である。
そして、
レクター博士に並ぶ、卓越した頭脳を持つ、絶対的なシリアルキラーのアイコンになった
ジョン・ドゥ。
彼をケビン・スペイシーが演じた事。
原作、脚本が絶品だった事は言うまでもないが、フィンチャー監督の意地と覚悟の作品で、主要人物がこの3人だった事も絶対的に勝利の要因だったと思う。
だからこそ、時代を超えて語られるあの地獄オチは、見せられた者を絶望に突き落とし、立ち直るまでに数日かかる程のトラウマを植え付ける作品になったのだと思う。
(偶然か必然か、本作でも要となる音楽を担当したのが「羊たちの沈黙」同様ハワード・ショアだった事も鳥肌モノです)
そして、
キリスト教や聖書、信仰心など、一部の人々にとってみれば馴染みのない、関心の薄いテーマ(乱暴に言うと"興味がない"事)を扱っているにも関わらず、実は人間誰しもが持っている"罪"にスポット当てている作品だというのも特筆すべき点だと思う。
誰しもが身に覚えのある、そして無意識に犯している"罪"を扱っている。。
ここぉ!!!
(はいここ大事ですよテストに出ますよ)
宗教感や人種・性別に関係なく"通じる"
っていうのがポイントだと思う。
(心当たりがある)
観客はミルズの視点で鑑賞し、自らを重ねていたと思うが、正にミルズ自身がこの"七つの大罪"を犯しているのがわかるから恐ろしい!
(だから人は宗教に赦しや救いを求めるのかな。。)
「大食」「強欲」「怠惰」「肉欲」
「高慢」「嫉妬」「憤怒」
=七つの大罪=
クライマックスに向けての車内。
三人の会話の中で、
「この腐った世の中。本当にあいつら(ジョンの被害者)は罪なき人間か?
普通の人々の罪。些細な事だとゆるされ続けている。朝から晩までゆるされ続けている。
だけどもうゆるされない。
私のしてきた事を学べ」
という様なセリフをジョン・ドゥが言いますよね。
それに反論し否定するミルズですが、続けてジョンに
「早く君に見せたいよ。素晴らしい結末を」と言われる。。
(その時のジョンの表情がぁーー!
冷静で、むしろ穏やかで、少しワクワクしている様子なのが余計に恐怖!)
そして
ミルズに「嫉妬」したジョンによって
"七つの大罪"の最後の一つ「憤怒」をミルズが実行してしまう皮肉!
ああああーーー_:(´ཀ`)_:(´ཀ`)
ジョン・ドゥ。。名無しの男。
この身元不明な"匿名の男"によって
七つの大罪が見事に完了する過程を見せられ続けてしまう。もはや苦行です。。
運命の出会いというにはあまりにも残酷な出会いをしてしまうミルズ。
"計画は変更"されてしまった。
それによって、
当初のジョンのシナリオよりも、彼にとっては満足度の高い、完成度の高い結果になってしまう残酷さよ。。orz
"7"という数字にも異常な執着をしていた
ジョン・ドゥ。
事件発覚が月曜日(しかも朝7時!)で、そこから日曜日までの7日間で完遂する事が重要。
【そして死者も7名】
(サマセットも退職まで残り7日なのは偶然か)
綿密に練られた計画。
それも彼のシナリオだったと思う。
そして、
散々たる死の現場は、その罪に対しての強烈な怒りをデザインしているかのようで、言い換えれば彼の"作品"の様だった。
その"自分の作品"をミルズによって完成させる事に"成功"したジョン・ドゥを、ミルズの手によってあの着地で締めくくった、フィンチャー監督の強烈なメッセージに胸がえぐられた。
✔️罪を罪として認識していない、無自覚な我々への警告か?
✔️あの光景に目を逸らしてしまうのは、私が何かしらの罪を犯している証なのか?
と考えると心臓が止まりそうになった。
私達は些細な罪を犯し、ゆるされ続けていたし、ゆるされ続けている。
でも、もう赦されないのだと。。
これからも生き続けなければならないミルズ。
やり場のない怒り、絶望や後悔を抱えたまま、その時が来るまで、ジョン・ドゥの呪縛から抜け出す事は出来ないのだと思うと、想像を絶する未来しか見えない。。
でもこれは私達の事だったりするのかも。。
ジョンは言っていた。
「私のしてきた事を人々は考え、学び、従う。永遠にな」
そして日曜日は晴天なのだ。。
○本作を語る上で外せないのが、こちらも強烈なインパクトを残した、カイル・クーパーの
オープニング映像だろう。
色々な書体、大きさの文字が
"チカチカ点滅"したり
"グラグラ揺れ"たり。。
それに合わせた不協和音。
本編のネタバレにはならない様に、しかし鑑賞後改めて思い返すと、重要なヒントが散りばめられていた事がわかる、こちらも語り継がれるオープニングだった。。
(エンドロールも最高で、はっ!!)
鑑賞後部屋を出る時に、私の前にいたおじさまが、階段を一歩踏み外し転びそうになっていたり、私も持っていた携帯を落としたり、後ろでは水筒?が落ちたようなカーーンって音がしたり、もうみんなヨボヨボでした(°▽°)
バッドエンドはイケるくちですし、見応えたっぷりで、鑑賞料金プラスしても良い位の作品なのですが、、、
アタシ ハ モウ イイカナ (´ཀ`)
こんにちは〜。共感ありがとうございます。
私も上映されると知って、悩みました。
そして、自分のレビューと他の方のレビューを見て、観に行くのやめました。
で、今日ベルバラ観てきました