「必ず最後に悪は勝つ‼️」セブン 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)
必ず最後に悪は勝つ‼️
まず、この作品を語る上で欠かせないのはクライマックスの衝撃でしょう‼️すべての観る者のトラウマとなり、鬱病にしてしまうくらい殺伐としたあのエンディング‼️ただ27年くらい前の初見の際に、この衝撃はいずれ薄れるだろうと思いました‼️その後、何度も観返してますが、初見の衝撃は薄れてしまい、今では「セブン」という作品の一部として、このクライマックスを観させてもらってます‼️そして観返せば観返すほど、犯人であるジョン・ドゥの "7つの大罪" を元にした犯罪のプロセスと、その黙示録のような世界観に驚嘆させられます‼️この作品は言ってみれば、7つの地獄めぐりのような映画‼️一つ一つの罪を元にした殺人の方法、ビジュアルはグロテスクに残酷に工夫されていて、一度観ると脳裏に焼きついて離れない‼️そして汚く、暴力的で、陰気な都会を舞台として演出するために、常に雨が降ってるような映像や、市川崑監督お得意の「銀残し」が使用されてるのがホントに効果的ですね‼️ブラピ扮するミルズがジョン・ドゥに雨の中、銃口を突きつけられるシーン(ミルズの顔を流れる雨水が、エイリアンのヨダレのように観える)、自首してきたジョン・ドゥが、血まみれの姿で奇妙に冷静に振る舞っているシーン、そしてクライマックスの荒野でのミルズとジョン・ドゥの会話のシーンにおける、ケヴィン・スペイシーの不気味な表情なんか、ホントに戦慄させられます‼️そんな恐ろしい場面の連続ゆえに、若きグウィネス・パルトロウの可憐さがいつまでも心に残る‼️そんな事も含めて天才デヴィッド・フィンチャー監督の才能に脱帽させられる傑作ですね‼️そんな天才ぶりついでに素晴らしきオープニングのタイトル・バック‼️不協和音というかノイズのような音楽、ジャンプするようなカット割り、殴り書きされたようなクレジット、膨大な量の日記と、自分の指先を切り落とすジョン・ドゥの心の闇を凝縮したような、そして「セブン」という作品を集約したような、恐ろしく素晴らしいタイトル・バックでした‼️最後に「正義は必ず勝つ」という言葉がありますが、この「セブン」ほど、時には悪者が勝つことを思い出させてくれる作品はないですね‼️