「成長しないミルズにイライラ」セブン かちかち映画速報さんの映画レビュー(感想・評価)
成長しないミルズにイライラ
ミステリー映画のおすすめで必ずといっていいほど名が挙がる作品。ミステリー好きだから観なければ、と今更ながら鑑賞したけどぶっちゃけ微妙だった。つまらなかった理由は2つある。
1つめは、「ぱっと出の犯人が黒幕だった」こと。
ミルズとサマセットのどちらかが犯人だと思ってたのに、終盤でいきなり出てきたジョンが黒幕で白けた。デカい犯罪の裏に隠れてる日常の小さい罪に怒ってる、という動機は分からなくもない。しかし、それをぱっと出の得体の知らない男に言わせてもイマイチ説得力がない。制作陣の「とりあえずケヴィンスペイシーに黒幕やらしときゃ何とかなるだろ」感が否めなかった。前評判で「どんでん返しがスゴイ」って見たけど、どこがどんでん返しなのかも分からず。
2つめは、「ミルズが成長しなかった」こと。
感情のままに生きてるミルズは、まるで大きい子供のよう。そんなミルズがどんな風に成長するか楽しみにしてたのに、結局最後まで成長を見られなかったのが残念。
ミルズが最後にジョンを撃っちまったからだ。妻の首をプレゼントされて逆上するのは分かる。でも、あそこで撃っちゃったら今までしてきたことが白紙になり、映画の主人公としてはダメだったと思う。「ここで撃ったらお前の負け」サマセットの言う通り、ミルズが負けて妻と子を失う最悪のエンドとなってしまった。後味はかなり悪い。胸糞悪い映画は好きな方だけど、この映画はあまりにも主人公が成長しなさすぎて、ただただ後味悪い映画になってしまった。
観る前にハードル上げすぎたのがいけなかったのだろうか。それとも最近の綿密に練られた脚本のミステリー映画に慣れたせい?いずれにせよ期待はずれだった。主演がブラピとモーガンじゃなかったから観ることは無かったな。