「不気味な雰囲気と衝撃的場面重視で、犯人像の設定は二の次」セブン Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
不気味な雰囲気と衝撃的場面重視で、犯人像の設定は二の次
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総合:65点
ストーリー: 60
キャスト: 80
演出: 80
ビジュアル: 75
音楽: 70
犯人の異常性とそいつが残した数々の異常犯罪の痕跡が、不気味な雰囲気を醸し出す。その雰囲気を作り出す演出力はなかなかのもの。出演者の演技も良かった。
でも結局のところ彼がこのようなことをするに至った理由がわからない。何故彼は七つの罪を犯した人々をこれほどにまで労力ばかりか命までをかけて罰することに囚われたのか。被害者だって大食いだからというだけで選ばれ殺されてはたまらないし、大食いなだけならアメリカには他にもさらにすごい候補者はいくらでもいる。七つの罪で選ばれた人々は、何故他の大勢の中から選ばれこれだけのことをされなければならないのか。被害者とはどうやって知り合ってどうやって人知れず犯罪を仕掛けたのか。結局彼は異常だったからこれだけのことをしました、ただそれだけなんですか。しかも異常者なのにボロも出さずに完璧に犯罪を遂行していく。納得いかないです。
不気味な雰囲気を作りたい一心で異常性のある衝撃的場面ばかりを前面に出していて、それはそれで確かに楽しめた。でもそのような印象の強い場面が続くのでつい見落としがちだが、いったいどんな奴が犯人で彼の行動の理由は何なのか、その犯人の異常性を確立した過程と結論を最後にどう見せてくれるのか、そういったものがなかった。犯人像の設定や行動の背景にあるものをしっかりと描けていない気がする。
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