「30年近く前の作品だが、これを超えるサイコスリラーは、生まれていない」セブン 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
30年近く前の作品だが、これを超えるサイコスリラーは、生まれていない
1995年。
監督:デヴィッド・フィンチャー。
タイトルクレジットがともかく格好良い。
名前の字体、流れていくスピード、捩れていく画面、
全てが斬新。
ラストを見る。
エルドロール。
ジョン・ドゥ
とクレジットされて、
ケビン・スペイシーと出て逆回転して遡っていく。
歌が掛かる。
掠れ声のデヴィッド・ボウイ。
THE HEART'S FILTHY LESSONだそうな。
今そのミュージックテープを聴いた(見た)
アートだ!
ぶっ飛んでる、
ソドムの市、
のイメージしか浮かばない。
「セブン」を超える衝撃のサイコスリラー映画を
まだ私は知らない。
ラスト、
ブラッド・ピットの演じるミルズ刑事。
ジョン・ドゥーの挑発をうける。
七つの大罪の残り二つ
「嫉妬」
そして、ミルズによって完成させる最後のひとつ、
「憤怒」
サマセット刑事(モーガン・フリーマン)は言う、
「なんとかやっていくさ、」
ヘミングウェイは言っている。
「この世界は素晴らしい、闘う価値はある」
「お終いの方の言葉には賛成だ。」
と、サマセットは言う、
ミラー刑事が立ち直れるのか?
衝撃のラスト。
コメントありがとうございます。
モーガン・フリーマンについては、定年間際に起きた事件で、最初は関わらないようにしていたのに、最終的に深く入り込んでいたこと。
ネタバレになるので詳しく書けませんが、関わりのあったあの人の衝撃的な姿を目の当たりにしたんですから(後味の悪さも含めて)、傷として残るんじゃないかな・・・と、勝手に思い込みました。あくまで個人的感想です。
それにしてもこの作品、細部にわたって、その描写の一つ一つも計算され尽くされたような、スゴい名作だと思ってます。
昔高田馬場にあった小さな映画館で、予備知識なく見ました。
だからその衝撃はすさまじく、食事ものどに通らないほどでした。
犯人の思いが成就されるためには、彼自身が射殺されなければなりません。
箱を開けて、ブラピが見たものは妻の首でした。
この恐ろしい葛藤と、最後に鳴り響く銃声。
これほどすごい作品は、琥珀糖さんのおっしゃる通りないでしょう。
本作、ストーリーも役者の演技も素晴らしいですが、
ラストの衝撃、後味の悪さは断トツでNO.1でした。
映画のラストは題材によってはハッピーエンドとはいかない作品もありますが、一筋の光明、希望で終わって欲しいです。
観客の明日への活力のために。
ー以上ー