「【”地獄より光に至る道は、長く険しい・・。” 人間の悪性に焦点を当てた作品。鑑賞後の重い気分が尋常でない作品でもある。】」セブン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”地獄より光に至る道は、長く険しい・・。” 人間の悪性に焦点を当てた作品。鑑賞後の重い気分が尋常でない作品でもある。】
ー当たり前であるが、人間は善性と悪性を抱えながら、そしてその間を行き来しながら生きている。
私は、基本的には、映画は、善性溢れる作品が好きであるが、悪性を描いた作品も鑑賞する。それは、人間だからである・・。-
■今作の魅力 <多くの方が作品レビューを挙げているので、簡潔に。>
・2時間を一気に見せ切る作品構成。 ー七つの大罪ー
・犯人の”知性”と”異常性”を視覚化した、犯人の部屋の美術、意匠。特に雑然とした書物。
・スリリングなアクションシーンも秀逸。
-ここで、犯人が分かった人は凄いね。-
・箱の中身を敢えて映さず、観る側に”嫌な”様々な想像をさせる手法。
-”イヤミス”どころではないサンセット(モーガン・フリーマン)が箱を開けるシーン・・ー
・犯人を演じた役者(名優であるよ・・)の悟ったような表情。
・・・
書き出すと、きりがない・・・。
ー デヴィッド・フィンチャー監督の復活作でもあるし、この脚本を書いた男が当時、抱えていた鬱屈が、良い方向に昇華した脚本のレベルの高さにも舌を巻く。-
■蛇足 <個人的意見>
・ダークで、鑑賞後、重い気持ちが残る映画
1.「悪の法則」 人間の本性は悪であるという考えの”コーマック・マッカーシー”脚本
2.「ノー・カントリー」 同じくコーマック・マッカーシーの原作”血と暴力の国”を映画化
3.「凶悪」 邦画の犯罪映画の金字塔
4.「ソドムの市」 監督のパゾリーニが今作製作後、惨殺された事は有名である。
・・・これ以上書くと、私の人間性を疑われそうなので・・。
・イロイロといわくつきの本
1.悪徳の栄え(マルキド・サド著 今作でも、触れられていた作品である。)
2.家畜人ヤプー(沼正三著)
3.O嬢の物語(ポーリーヌ・レアージュ著 映画もあります・・)
4.毛皮を着たヴィーナス(マゾッホ著)
・・・これ以上も書きたいが・・。
◆人間って、”悪”に惹かれるのだなあ・・、昔から・・。業の深い生き物である・・。