「ポルノ映画と勘違いして借りた18の僕」セックスと嘘とビデオテープ 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
ポルノ映画と勘違いして借りた18の僕
YouTubeで『リンカーン』の人気コーナー『朝までそれ正解』を観ていたら『「せ」ではじまる名作映画は?』という質問があった
リンカーンのレギュラーメンバーは『千と千尋の神隠し』とか『セーラー服と機関銃』とか『戦場のメリークリスマス』などと解答
しかし僕が真っ先に思いついたのはなぜかこの作品だった
無意識に記憶の奥底から引っ張り上げてしまった
中学生じゃあるまいしセックスで頭がいっぱいだったわけではない
四半世紀以上前にレンタルビデオ屋で借りたVHSを観て以来だからすっかり忘れていたはずなのに
当時の自分には内容が今ひとつよくわからず難しかったし眠くなった
期待していたモノではなかったし
ヌードは全く出ない
弁護士のジョンと妻アンはセックスレス
アンがセックスを拒否している
精神科医にも相談するアン
ジョンは妻の妹シンシアとこっそり浮気をしている
ジョンは大学時代の旧友グレアムと再会
グレアムは数々の女性に対しセックスに関するインタビューをするのが趣味
それをビデオカメラで撮影しあと全裸でビデオテープを鑑賞する変わり者
やがてジョンとシンシアの裏切りはアンにバレてしまう
低予算のインディーズ映画でカンヌのパルムドール受賞
しかもデビュー作
猥褻だが知的な会話劇
自他ともに認めるおじさんになった今ひさびさにこの作品を観たわけだがわりと面白い
大人の映画である
解説の『心優しき変態者』というフレーズに笑ってしまった
『変態という名の紳士』みたいなものだろう
褒められた経験がないせいか最近のネット民は褒め言葉のボキャブラリーが乏しく「変態」も褒め言葉になっているが僕はそんな文化が大嫌いだ
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