「いろんなことが詰め込まれて主題が散漫に見える」白いカラス Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
いろんなことが詰め込まれて主題が散漫に見える
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総合70点 ( ストーリー:65点|キャスト:75点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
ニコール・キッドマンが人生に疲れたやさぐれた役をやっていて、最初は誰だかわからなかったくらい役に入っていた。アンソニー・ホプキンズも流石の演技。危険な夫役のエド・ハリスも迫力があるし、登場人物の演技は全体に上等。静かな緊張感が漂う演出も質感が高い。
だけど恋愛に失業に法律問題に差別にといろんなことが関連も強くないままに起きて、それらをふまえて彼らがどんな人生の選択をしたのかそしてするのかと、焦点がぼやけていてはっきりしない。歳の差のある二人の出会いと発展も強引に思える。より良い人生の成功を求めて苦渋の決断をして、それをしないから傷つきそれをするからまた周囲を巻き込んで傷つく。新しい角度から興味深い問題を内包しているのだが、ちょっとその主題が散漫になった印象があるのが残念。
ウィキペディアで調べたところ、「父親(いわゆる黒人)側の血縁にアフリカ系アメリカ人、ジャマイカ人、イングランド人およびユダヤ系ドイツ人、チェロキー族(アメリカンインディアンの一部族)がいる。」ということで、若きシルク教授役を演じたウェントワース・ミラーは複雑な人種の混血のようで、そう言われてみればそう見える。「Human stain」ではなく「白いカラス」はなかなか良い邦題だ。
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