劇場公開日 2002年2月2日

WASABI : 映画評論・批評

2001年12月27日更新

2002年2月2日より日劇プラザほか全国東宝洋画系にてロードショー

「WASABI」の魅力は「スター」にあり

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噂の「WASABI」が完成した。脚本はベッソン、監督が「TAXi2」のクラブジックだけあって、ストーリーは単純かつ強引だが、多用したステディ・カムの撮影と左右の動きをカバーするシネスコ画面と相まって、脚本のご都合主義を感じさせないほどスピーディでリアルだ。

もちろん、日本人のすべてが仏語に堪能だったり、わさびをつまみに酒を飲んだり、タイアップ企業のロゴや商品などが唐突に登場したりと、時には失笑を誘うようなシーンも登場する。

しかし、映画がスターのものだとしたなら、この作品は充分に条件を満たしている。ジャン・レノは不器用で強情な刑事役で持ち味を発揮し、相棒役を演じるコメディアン出身のミシェル・ミューラーは適度の笑いを提供する。そして広末涼子は、感情の起伏が激しい20歳のヒロインを、見事にフランス語を操り好演している。

ここ半年で「キス・オブ・ザ・ドラゴン」「YAMAKASI」、そして本作と3本のベッソン・プロデュース作品が公開されるが、これらすべてはスターの魅力を全面に押し出すものだった。「俳優に説得力があればそれでいい」、とベッソンが言いたいのならば、そういう意味では「WASABI」は魅力的な作品なのだ。

(編集部)

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