「【”無軌道な生活を送る若き男女の行き付いた先・・。”安保闘争を知らぬ男が本作を鑑賞し、感じた事を素直に記す。怒っちゃ嫌よ。】」青春残酷物語 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”無軌道な生活を送る若き男女の行き付いた先・・。”安保闘争を知らぬ男が本作を鑑賞し、感じた事を素直に記す。怒っちゃ嫌よ。】
ー 映画のタイトルが凄い。「青春残酷物語」って・・、と思って観たら、本当にその通りだった・・。ー
■中年男にホテルへ連れ込まれそうになったマコトは、大学生のキヨシ(川津祐介)に助けられる。その後2人は様々な”遊び”をしながら、セックスを重ねていく。
キヨシは金持ちの人妻と不倫をしていたが、マコトのことが忘れられず同棲する。やがて真琴が妊娠していることが発覚し、又二人が行っていた”遊び”により、警察に拘留される。
◆感想
・今作では、マコトと対照的な生き方をしてきたマコトの姉ユキ(久我美子)の姿が印象的である。ユキが奔放な生活をしているマコトの生き方を見て、呟く言葉。”私だって、時代が違っていたら・・。”
■今作では、安保闘争のシーンはチラリとしか映されないが、大島渚監督は、学生たちが政府の施策に激しい反発をした安保闘争の前後の若者達の生き方の変化を描こうとしたのではないかな。
・ユキは、日本の敗戦が色濃く残る時代を生きて来た父の教えの元、節度を持って生きてきた事が伺える。それが、彼女が望んだ生き方ではない事も描かれる。
一方、マコトは、知り合ったキヨシと共に、美人局をしながら中年の男達から金を巻き上げる生活をしている。
この、ユキとマコトの対比が、見事に描かれているのである。
<だが、時代はマコトとキヨシの無軌道な生き方を受け入れた訳ではなかった。それが、ラストのホラーではないかと思ってしまった、強烈なマコトとキヨシの死に様として描かれているのではないかと思ったのである。
当時、この作品を映画館で観た人は、衝撃を受けただろうなあと思った作品である。>
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