イカとクジラのレビュー・感想・評価
全26件中、21~26件目を表示
ジェシー・アイゼンバーグ(猫背)
ばらばらになった家族が、ばらばらのまま成長していく映画です。
思いのほか、引き寄せられ最後まで一挙に見せられました。
長兄役の青年がいい演技しているなー、というのとどっかで見たことあるなーと思っていたら、今年のオスカーの大本命、フィンチャーの「ソーシャルネットワーク」の主役でした。
おすすめです。秋の夜、静かに見てください。
大人になれるのはいつだろう
家族が崩壊していく物語なのに、なぜか全然悲しくない。何年か経って、この家族がまた集まったときに、両親の離婚は滑稽な笑い話になっているだろう。
ローラ・リニーは知的な作家にも、若いテニスコーチに溺れる中年女にも、息子を愛する優しい母親にも、すべてぴったりハマっていた。
表情を見て欲しい
所謂家庭崩壊を描いた作品であるが、作品中に劇的なドラマが仕込まれているタイプではなく、一種ドキュメンタリーのようなタッチで作られている。
特に子どもたちはセリフがなくとも僅かな表情の差異を作り出すことで演技をしており、それが身内の間に生じる緊迫感を上手く表している。
無駄に状況説明を行うような言葉を排除した脚本は褒められるべきであろうし、様々な顔を見せるローラ・リニーが抜群の存在感を放っている作品でもある。
ゆるさと行間で語る
ロイヤルテネンバウムスのウェス・アンダーソン制作。
やっぱりおかしな家族の物語。
少年の目線で描かれてる点、ややなつかしさを覚えました。
絶妙な間合い、大人と子供の間にある緊張感みたいなものに、リアルさを感じました。
絶妙な間合いで外す、人間の不可思議さを描いたドラマ
まずは元夫婦に扮したジェフ・ダニエルズとローラ・リニーの芸達者ぶりに拍手。今は大学教授を務める、落ちぶれた作家に扮したダニエルズは、プライドばかり高く人間的魅力に欠ける父親を好演。そのだらしさなぶりが最高だ。一方、リニー扮する母親も、父親に比べればましなものの、父親から逃げて来た息子を自分が恋人と一緒に過ごしたいがために帰宅させる、やっぱりどこかズレた母を完璧に体現してると思う。
そして何より、数々の伏線を張りながら、ラストに向けて物語を淡々と、そして微妙にズラしながら描いていくノア・バームバックの手腕が素晴らしい。彼の脚本のおかげで、人間の不思議さやおかしさ(いと、おかし、の方のおかしさね)がしみじみと出た人間ドラマに仕上がっている。ちなみにIMDbで調べてみたら、まだ38歳だそうな。次回作が楽しみな監督が登場した。
全26件中、21~26件目を表示