ティアーズ・オブ・ザ・サンのレビュー・感想・評価
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ヒロイズムとリアリズムの狭間で揺れる
戦争映画においてリアリズムを追求しているかという観点からは、否定的な評価は避けられないでしょう。
ナイジェリアの紛争という複雑な歴史的・政治的背景を、善悪二元論的な単純な構図に矮小化してしまっているからです。
ヒューマニズムもモラリズムも、詰まるところアメリカを偏重したものに過ぎません。
現実の複雑な国際関係や人道危機を単純化しすぎているという点で、批評的に見ることができます。
しかし、私は、この単純化こそが本作の魅力でもあると思っています。
一つの観方として、単純なヒロイズムに振り切ったことで、中途半端なイデオロギーを排除した潔さを感じるのです。
その起点となるのは、ウォーターズ大尉が命令に背くことにあります。
ブルース・ウィリスのキャスティングもイメージ的にハマっていて良かったと思います。個人的には、彼のキャリアの中でも屈指の名演技とも思います。
そして、物語(つまりフィクションとして)において大きな意味を持つ、殺されたナイジェリア大統領の息子アーサーの存在があります。
結局アメリカの軍事力がものを言うラストにおいても、アーサーの存在があってこそ、アメリカの軍事力こそ解決の唯一の手段というような身も蓋も無いことにはせずに、個のヒロイズムを軸にした物語の意味がしっかりと収束されたように感じました。
全てがいけません
脚本力というか、作劇的には成功している。このまま普通に脱出型ロードムービーだったら全然面白くなかった。突然引き返すという奇妙な行動によって、そこにミステリーが生じ、流れとしてはおもしろく、飽きずに見られた。
ただ、映画としては
私の見方では・・
これはすべてが間違いだと言い切ってしまいたい。
まず、こういうところに慈善事業で向かうのが間違い。似非ヒューマニズム。他国の戦争に首突っ込むな。世界中のことをケアすることはできない。そこには、そこの事情がある。
それから、命令に従いや。
勝手な行動するな。目的達成したらそのままヘリコプターで帰れ。何、引き返しとるね。何か重要なことに気がついたので、引き返してさぐりを入れる必要が生じたのかと思ったわ。
あさはかな同情と浅はかなヒロイズム。全てが軍事産業の宣伝みたいな映画だった。戦闘機とヘリのカッコいいことと言ったら・・だからこのような映画作ること自体も間違いだったと思うわ。
・・アフリカのジャングルの中で戦争が起きているのは、銅の採掘のためらしい。現地の人に銅がほしいんだけど・・と相談すると結局は金と武器を渡すことになる。もともとそこは食べ物がなくなれば隣の縄張りに攻め込んで・・というところなので、武器を渡せば戦争を始めてしまう・・銅は、すでに製品としてたくさん存在していてコストを考えなければ。リサイクルで賄える状態である。コストを安くしたいがためにアフリカに採掘しに行くのであり、このようなことが起こっている。我々はそれを知っておくべきだろう。
必要な要素はしっかり詰まってて良作
余計なことをすると死ぬな。
この「映画.com」での解説では、「映画の舞台はアルジェリア」とあるが正しくは「ナイジェリア」。お詫びして訂正して欲しい。
ブルースウィルス扮するウォーターズ大尉の他、7人のネイビーシールズ(特殊部隊)が、紛争地帯のナイジェリアにいるアメリカ人女医を助ける任務を受ける。
女医はマトリックスなどで有名なモニカ・ベルッチでさすがの美しさ。しかし、自分一人が逃げるのをこばみ、村人たち約30人を一緒に連れていこうとするところは、戦争の現実を知らないお嬢様か?w
おまけに虐殺を見たウォーターズ大尉が村人たちを一緒に救おうとするが、村人の中に肉親を人質に取られた黒人がいて、発信器を持ってた。で、想像以上に敵が追ってくるスピードが速く、かつ正確に追ってくる。
発信器を持った黒人を突き止めたが、敵の足は速い。それを食い止めるため、ウォーターズ大尉の部下が待ち伏せして爆弾で大半の敵を倒すが、敵はすぐにそれ以上の兵士を補充して追って来るのだった。理由は、全員、殺害されたはずの大統領一家のうち、唯一、生き残った息子が避難民の中におり敵は彼を殺そうと必死になっていたからだった。
村人たちも銃を手に取り、敵と交戦するが多勢に無勢。ネイビーシールズは次々と殺されていく。もちろん、ブルースウィルス扮するウォーターズ大尉は傷つくが無事。
で、それまでウォーターズ大尉が要請していた空軍の援軍がやってきて、たぶん、ナパーム弾で敵を一網打尽。カメルーンとの国境で足止めを食らっていた大統領の息子や女医たちやウォーターズ大尉たちも大尉の上官の大佐が持ってきた書類のおかげでカメルーンに入ることができたのだった。また、殺されたウォーターズ大尉の部下の遺体も回収でき、一件落着。
ただ、女医だけを救っていれば、貴重なネイビーシールズが何人も死ぬことは無く、村人たちも戦闘で何人も死んでいるのでトータルで見ればマイナスではないか。
おまけに女医はことあるごとに「(村人たちを)見捨てていけない!」「いや~~~!!!」などとウォーターズ大尉に逆らい、手を焼かせる。もし、敵がやってきて女医が捕まったら強姦されることが分かっていなのだろうか?戦争の現実を知らずに、単なる人助けでナイジェリアまで行く気が知れない。それと、アフリカではエボラ出血熱、デング熱など伝染病がうじょうじょしているのに、村のオペ室でさえない部屋で外科手術をして助かるのだろうか?と思った。
まぁ、戦闘シーンは迫力があるからそこは良かった。
女医さんがんこ
命令違反 それでも私は、あなたたちを守りたかった。
原題
Tears of the Sun
感想
『ダイ・ハード』のブルース・ウィリス主演による戦争アクション大作!
内戦下のナイジェリアで史上最も苛酷な救出ミッションに挑む!
神が見捨てた命を、私は救えるのかー?
[女性医師リーナ・ケンドリックスを救出せよ]
ブルースウィリス目当てで観ました。
反乱軍の野蛮さ、ナイジェリアの悲惨な現状と…。なかなかショッキングでした。
子供を育てられないように女性の乳房を切り落とすのはもう人間のやることではないです。恐ろしい。
もうちょっとアクション要素多くてもよかったかもです。
ラストの銃撃戦は見応えありましたが、仲間が倒れていく姿に悲しくならなかったです。
ラストの空爆で敵全滅は呆気なかったですね笑
※善なる人々が行動を怠れば必ず悪が勝利する エドマンド・バーク
戦争映画というよりもアクション映画
人類は変わらないのか
ナイジェリアでクーデターが起き、虐殺が始まる。
アメリカ特殊部隊の主人公(ブルース・ウィルス)は、現地にいるアメリカ国籍の女性(モニカ・ベルッチ)の救出を命じられる。
チームを率いた主人公は惨状を目の当たりにし・・・。
救出劇は面白いのだが、殺し合いは昔も今も変わらない感じで、落ち込んでしまう。
重たい雰囲気の戦争映画
戦争映画の傑作「プライベート・ライアン」によく似たプロットなんですが、どうしてこうテイストが違ってしまうのか。
本来のミッションからすると、簡単に遂行できたようなことでも、人間として、目の前で起きている不条理を見過ごすことができない。というジレンマを余すことなく描いてあります。
女医が出ていなければ、本当に男臭い映画で、興行的にも不振だったのでしょう。
確かに考えさせられるテーマですが、日本人にはあまりピンとこない話です。
政情不安定な地域にボランティアで行く人たちは、どこの国にもいるのでしょう。
それを守ってあげるのは国家の責任なのかもしれませんが、日本では「自己責任」で片付けられ、一人を救出するのに、部隊を振り向ける発想はないでしょう。
「患者たちを見捨てて帰れない。」などというヒロイズムはただのわがままにしか思えません。
結果として、多くの命を危険に晒しているのですから。
とても重いテーマで、ラストも何となく感動の気持ちに包まれますが、何ひとつ解決していません。
世界で起きている、リアルな問題に、胸を痛め、考えさせられる映画でした。
2014.6.19
命令違反はいだだけない。
軍人である以上、上命下服は絶対の原則でしょう。そこを外してしまっては、いけないのではないかと。結局リーナ医師の救出には成功したものの、部下数人に犠牲者を出してしまったのは、その命令違反の結果に他ならないのですから。
ヒューマニズムのために命令に背いた…というのは「カッコイイ」のかも知れませんが、そのヒューマニズムも、ずいぶんと安っぽいなぁと思ってしまいます。評論子は。
百歩譲っても、最初にヘリを離陸させたときに、いっぱいの員数を収容していれば、結末とそう違わない員数の難民も難なく救助できていたのではないでしょうか。
『ルワンダの涙』の国連軍現地部隊指揮官・デロン大尉(ドミニク・ホルヴィッツ)のような選択の方が、評論子は、軍人としてのウォーターズ大尉(ブルース・ウィリス)が執るべき方針だったのだろうと思います。
重かったが、
もっと早よ助けてあげようよ…
指揮官の苦悩
見方は様々あると思うが
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