劇場公開日 1954年2月6日

「I wanna live again」素晴らしき哉、人生! ふみくんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0I wanna live again

2023年12月2日
iPhoneアプリから投稿

幸せ

毎年クリスマス前には観ることと決めている。若かりし日の初見時は、明るいハッピーエンドが印象に残ったが、それだけ。中盤の描写が少し冗長に思えたのもあるが、それ以上に、後半の深い絶望や資本に絡め取られた世界の闇の濃さを理解できなかったからであろう。三度目くらいからこの映画全体に通底する愛情の深さに触れることができ感動を覚えるようになった。今では冒頭の祈りのシーンから涙無しに見れない。
それまでも名作を数多く生み出してきたフランク・キャプラ渾身の深い人間愛とその信頼が作品を通して一貫している。誠実で善良な主人公ハリー・ベイリー(ジェームズ・スチュアート)の「もう一度生きたいんだ(I wanna live again)」は、映画屈指の名台詞であるどころか、凡ゆる、挫折に苦しみ絶望を歩んでいる人々の心に響き渡る、最高の言葉でる。そして家族と友こそは最大の財産である。身近な人々皆を大切にして生きていきたい、この映画を観た全ての人間にそう思ってもらいたいと思うような、古き良きハリウッド映画最高峰の作品である。

ふみくん