劇場公開日 2002年12月28日

SWEET SIXTEENのレビュー・感想・評価

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4.0社会問題に深く切り込む丁寧な演出と、若手のフレッシュな感性が相まった秀作

2019年12月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ケン・ローチの作風は00年代に入って若手のフレッシュな感性も相まって新たな魅力を獲得した。もうすぐ16歳のリアムを主人公に据えた本作も、その代表格といえるだろう。

ローチ作品の主人公はそれぞれ深刻な事情を抱えているが、今作は息子が母のために何かしてあげたいという思いが全編を通じて痛いほど伝わってくる。しかし彼は環境という名の「檻」から這い出るチャンスをつかむことができない。また、彼の倫理観の中では母への思いの方が先行し、自分が売ったドラッグで誰かが不幸になるジレンマからあえて目をそらしている。つまり、目をそらすだけの葛藤が、まだ彼の中に存在するということだ。それは「救い」のようにも思える。

こうしたドラマが丁寧に構築され最後まで目が離せない。そして運命の瞬間。我々はまたも「どうして!?」というやるせない余韻を抱え、こうした案件が多数巻き起こる現代社会について深く考えさせられるのである。

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牛津厚信

5.0本当の凄さ(世界の見え方)

2024年3月4日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、映画館

泣ける

悲しい

初見時、ラストシーンの海辺に立つ主人公の顔のキズ跡を見て気付いてしまった「この子も含めて、素人に演出をつけて演技させていたのかよ…映画監督、映画ってなんて凄いんだ!」自分が16歳だったなら映画関係の仕事に就こうとしただろう....ものすごい感動だった。
映画の、いやすべての制作物の見え方を変えてくれた作品。ケン・ローチは偉大な監督です。

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しーらん

3.5リアリズムに徹した残酷な青春

2020年5月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

スコットランドの地方都市を舞台に、麻薬組織の世界に足を踏み入れた15歳の少年を主人公にした青春残酷物語。特殊な家庭環境でも完全な不良にならない主人公の説明は、投獄されている母への純真な息子心で描かれる。それ以外は現実的で、ローチ監督の冷徹なリアリストの視点は終始一貫している。
現実の世界を忠実に克明に構築する徹底振りには感心する。しかし、ドラマとして人間を描く点で物足りなさもある。

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Gustav

3.5絶対終わって欲しくないところで 流れるエンディング ケンローチ監督...

2020年2月29日
iPhoneアプリから投稿

絶対終わって欲しくないところで
流れるエンディング

ケンローチ監督作。

何も悪くないのに。

とてもよかった。

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ねこ

3.0環境が人を作る

2015年3月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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奥嶋ひろまさ

4.0描写表現が見事な秀作。

2013年11月13日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

難しい

若さゆえに単純。
未熟ゆえに複雑。

刑務所の母のために悪に手を染める少年。
その気持ちが純粋で真っすぐなだけに切なくなってくる。
15歳という年齢のわりに、かなりしっかりしている印象は残るが、少年らしい若さゆえの無謀さから生じる日常はとても痛々しい。

ヨーロッパ映画らしい描写が不安定な若者の心情を生々しく表現しており、なかなかの秀作。
ただ、ベースの雰囲気が暗いため、単純な青春映画としては楽しめない。

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旅人