「冗長に間延びさせず88分に余すところなく収めて見やすい作品」助太刀屋助六 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)
冗長に間延びさせず88分に余すところなく収めて見やすい作品
新文芸坐さんにて今年一年計4回実施された『映画監督・岡本喜八 生誕100周年記念プロジェクト in 新文芸坐 vol.4後期岡本喜八+α』もいよいよ千秋楽。
本日は監督晩年の『助太刀屋助六』(2002)+『EAST MEETS WEST ディレクターズ・カット版』(1995)2本上映と出渕裕監督、樋口真嗣監督、前田伸一郎氏(喜八プロダクション)のトークイベント。
『助太刀屋助六』(2002)
岡本喜八監督、そして喜八組の常連・天本英世氏の遺作。
助六役の真田広之氏は同年山田洋次『たそがれ清兵衛』に主演しておりますが、本作品は仇討ちの助太刀を生業とする助六を実に生き生きとコメディータッチで好演。
仲代達矢氏、小林桂樹氏、岸田今日子氏のベテラン勢に加え、村田雄浩氏、岸部一徳氏、本田博太郎氏の配役も充実。
監督のテンポの良い演出も健在、ナレーションを有効に活用、冗長に間延びさせず88分に余すところなく収めて見やすい作品でしたね。
音楽はジャズピアニストの山下洋輔氏を起用、時代劇とジャズが見事融合していましたね。
監督としては38本。どれも不朽の名作・傑作ばかり、時が経つに連れて、その洗練された演出とテンポの良さは近年再発見、再評価されていますので、生誕100周年記念と言わず、ぜひ定期的に上映する機会があると嬉しいですね。
コメントする