劇場公開日 2002年2月16日

助太刀屋助六 : 映画評論・批評

2002年2月15日更新

2002年2月16日より有楽町スバル座ほか全国東宝洋画系にてロードショー

惜しい。ウィットありビート感ありの喜八印なんだが

岡本喜八監督はやはり純粋西部劇より、西部劇の骨組みを隠し味にした時代劇のほうが合う。仇討ちの助っ人を稼業にしたチンケなヤクザ、真田広之が帰郷し、実は父だった男が仇討ちで死んだのをキッカケに、仇討ちの何たるかに直面し、奇想戦術で父の仇を討つまでの88分(背景に仇討ちの仇討ち、「又仇」の禁止という江戸幕府の理不尽さがある)。

黒澤明用心棒」的な宿場町に場所を限定しながら、派手な血の噴出が控えられているところがいかにも喜八印。武器もぜんぜん別系統だ。打楽器を使う山下洋輔のジャズ、簡潔な岸田今日子のナレーション文体に乗せられ、劇画のように話は進む。ウィットとビート感。ただ、幼なじみの密かな恋を相思相愛と確認した真田と鈴木京香が、馬で宿場を後にする結末が、途中で読めてしまう。惜しい。

真田「助六」の父をやった仲代達矢と、悪代官に娘京香の水揚げを託そうとする婆さん役・岸田今日子はすごく風情がある。が、その他の俳優は喜八復活に力を貸そうとオーバーアクトになった感があってちょっとカッコ悪い。話が予定調和に進みすぎてコクも足りない。今は時代劇が難しいなあという感想。民衆の投石シーンの嘘臭さもキズになった。

(阿部嘉昭)

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