Mr.&Mrs.スミス : 映画評論・批評
2005年11月29日更新
2005年12月3日より日比谷スカラ座ほか全国東宝洋画系にてロードショー
ビッグカップルによる“ザ・ハリウッド・ムービー”
“ザ・ハリウッド・ムービー”である。ブラッドとアンジーのビッグな2人が、お互いの素性を知らない凄腕の殺し屋夫婦を演じて、初共演。しかも、実生活でもカップルに。と、話題にこと欠かない作品は、2人の存在そのものが最大の魅力。「ボーン・アイデンティティー」をタイトなアクション映画に仕立てたダグ・リーマン監督作にもかかわらず、火薬や銃弾を大量導入したアクションシーンを盛り込みすぎて飽きさせるほどに製作サイドを張り切らせるのも、主演コンビが超ビッグだからこそ。
でも、いいじゃないの。見方を変えればアホな設定でも、ララ・クロフトを彷彿させるアンジーのクールなアクションヒロインぶりといい、茶目っ気のきいたブラッドの必殺仕事人ぶりといい、持ち味が存分にいかされている彼らを観ているだけでOKな気分にさせるのだから。それに、派手なアクション満載のおかげで、つい忘れがちだが、これは秘密を抱えた夫婦の危機を描くロマコメ。そんなカップルが繰り広げるスリリングなやりとりを楽しませる2人のコメディセンスは、期待以上。アクション映画として観るか、ロマコメとして観るかで、評価は全然違うだろうけど、ザ・ハリウッド・ムービーとして観れば文句なし?!
(杉谷伸子)