「同名小説 映画化」シルミド SILMIDO まりぽっささんの映画レビュー(感想・評価)
同名小説 映画化
歴史に埋もれてしまう事実を、映画という方法で世に残す。尊い行いにより、国家の陰謀が、また一つ明らかになった。
国家によって、昨日のヒーローが今日の悪になる。そして成敗の対象になる。
実尾島に集められた男たちの召集事由も心苦しく悲しいものだが、ある日突然捨てられることになる理由も心苦しく悲しい。
15年ほど前の鑑賞で細かなディテールは覚えていないものの、実尾島に集められる人々が「犯罪者」という設定だということはハッキリ記憶している。
国家によって、犯罪者がヒーローにもなり得、また犯罪者ゆえに不要となれば簡単に捨てられる。
国家権力の腐敗をより分かりやすく描くためにそう設定したと思うが、実話に基づいて創られたことを考えると、「元犯罪者」や「囚人」という設定にはあまり賛成出来ないところ。描き方次第では遺族への風評被害など生みかねないのではなかろうか。中には集団で行方不明になっていた青年たちが実は部隊の一員だったというケースがあったそうだ。
とは言え、それも映画によって事件の再捜査が行われた結果判明したこと、やはり映画の持つ意味は非常に大きかったことが窺える。
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