劇場公開日 2005年9月17日

「カラフルな忍者たち。」SHINOBI kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0カラフルな忍者たち。

2025年2月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 いくらビジュアル重視の忍法帖でも派手すぎる。しかも、俳優の演技には全く期待できない。こんな映画が面白いわけなかろうとタカを括っていたら、意外とのめり込んでしまう。伊賀五人衆、甲賀五人衆ともにVFXをフルに活かして独特の技を繰り出す様子は、日本史も時代劇も不得手な者であっても十分に楽しめるのです。ただ、これだけビジュアルを重視するのなら、チャン・イーモウの『HERO』『LOVERS』のようにそれぞれのシーンに色のこだわりを持たせるとかしないと、従来の時代劇のセットにカラフルな衣装が浮いてしまいます。どうしても子供向けの色彩感覚ととらえられてしまうのですよね。

 仲間由紀恵の演技は予想通り。たどたどしい台詞がオダギリジョーにまで感染しています。良かったのは筑摩小四郎役の虎牙光揮と陽炎役の黒谷友香であろうか。もうちょっとギャラをはずめば千葉真一をキャスティングすることもできたであろうに・・・と考えてもみたけど、服部半蔵と柳生十兵衛のどちらがいいのだ?

 世継ぎを決めるためだけで、権力者による強制される無意味な戦い。反対することが二人の恋愛のためであろうが、殺し合うことは無慈悲だ。スパイ、兵士として育てられ、用済みとなったら抹殺されてしまう。いつの時代にもこうした悲劇は存在する。

【2005年映画館にて】

kossy