シャフト(2000) : 映画評論・批評
2000年11月15日更新
2000年11月11日より丸の内ルーブルほか全国松竹・東急系にてロードショー
70年代のブラック・ヒーローが復活
アイザック・ヘイズのファンキーなソウルの主題曲「シャフト2000 (黒いジャガーのテーマ)」がセクシーに鳴り響く。こんなにゴキゲンなのはパム・グリアー主演「フォクシー・ブラウン」以来か。こりゃ、ブラックスプロイテイション映画の決定版だッ。
「ボーイズ’ン・ザ・フッド」のジョン・シングルトン監督が描くのは夜の闇だ。人種差別主義者(クリスチャン・ベール)がいる。ハーレムの麻薬王(ジェフリー・ライト)がいる。NYの夜は「俺にまかせろ」とシャフト刑事が、アルマーニのレザーコート、タートルネックのシャツにサングラスという全身黒づくめのスタイルで、颯爽と登場。シャフトの行くところ、難事件も一発解決だ。ダーティハリーよりアブナい刑事だったりして。
何といっても、サミュエル・L・ジャクソンの渾身の演技に拍手喝采だ。うれしいことに、前作「黒いジャガー」のシャフト役リチャード・ラウンドツリー(叔父の私立探偵役)も登場。ほか、バネッサ・ウィリアムズ(同僚役)、バスタ・ライムス(親友役)ら“黒い出演者”がことのほか輝いている。
孤軍奮闘するシャフトの活躍に胸がすく。
エモーショナルでクールな奴だよ、まったく。
(サトウムツオ)