「不思議な国のニッポン」千と千尋の神隠し アキ爺さんの映画レビュー(感想・評価)
不思議な国のニッポン
「一生に一度は、映画館でジブリを」っという宣伝文句にまんまと釣られて観に行ってきた「千と千尋の神隠し」。宮崎駿監督のセンス・オブ・ワンダー炸裂ゥゥっといった感じでした。毎回毎回ああいう不思議なキャラクター達を思い付くってスゴいなぁっと単純に感心します。
「千と千尋の神隠し」って言わずと知れた日本での映画の興行収益第一位の作品なんですよね。映画好きのハシクレとして、やっと日本で1番売れた映画を映画館で観る事が叶いました。因みに世界興行収益第一位の「アベンジャーズ エンド・ゲーム」は日本だと100位にも入らないという・・・多分、海外から見れば不思議な国のニッポンですね。
本作ってアカデミー賞の長編アニメ部門を受賞しているんですよね。日本の八百万の神様なんて概念は一神教の方々には解りにくいであろうによく受賞できたなぁと思っちゃうんですけど、よくよく考えたら英語の題名は「Spirited away」。神様は1人だけじゃないとダメなのに、精霊(Spirit)は沢山いても良いという解釈なのでしょうか?この不思議な感じにアカデミー賞会員の人も魅力されたんでしょうね。
言うなれば今回のストーリーって宮崎駿版「不思議の国のアリス」ですよね。もしくは「オズの魔法使い」とか。海外で昔っからある物語の日本版といった印象を受けます。でも海外の物語だと不思議の国に迷い込んでも元の世界に戻る為に冒険するとかですけど、本作だとちゃんと労働しなくちゃ豚にされるので勤勉な日本が反映されているみたいですよね。でも真のテーマは「銀河鉄道の夜」らしいです。
この「千と千尋の神隠し」ってホント不思議で、見終わって面白かったなぁっと思っても具体的に何がどう面白かったか説明しにくいというか。胸が締め付けられるような感動を覚える訳でもなく、頭を悩ますような問題提議がある訳でもなく、ただ純粋に面白かったっという感じでした。
そういえば観た後に色々と検索してて好きだった話がこの映画の後日談。嘘か真か宮崎駿監督がアニメーターの女の子にだけ話したらしいのですが、この映画の後で千尋に妹が産まれるそうです。で、本作で成長した千尋と妹は、「トトロ」でいう所のサツキとメイみたいな姉妹になって、ちょっと冷たかったお母さんとももう一度家族の絆が深まる。といった映画では描かれなかったストーリーが宮崎監督の頭の中でのみあったみたいです。
一度は不思議の国でバラバラになりかけた家族が、それからちゃんと幸せに暮らしましたっていう現代のお伽噺にふさわしいおわり方だと思いました。
CBさん、コメントありがとうございます。
どうやら宮崎駿監督はどの作品にも裏設定いっぱいあるみたいですよ。検索するとそんな宮崎駿作品を読みとこうとする考察の多さにビックリしつつも、皆さん色んな事感じてるんだなぁっと感心します。