劇場公開日 2005年6月11日

「『戦国自衛隊』×『戦国自衛隊1549』で、BESTな『戦国自衛隊』に…?」戦国自衛隊1549 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5『戦国自衛隊』×『戦国自衛隊1549』で、BESTな『戦国自衛隊』に…?

2021年5月4日
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鑑賞方法:DVD/BD、映画館

楽しい

単純

興奮

当時の角川映画の破天荒さをまさに象徴するような、今尚人気を誇る1979年の大作『戦国自衛隊』。
半村良の原作小説のアイデアを元に、福井晴敏が全く新しいストーリーを書き上げてリメイクした2005年の作品。

死亡したと思われた陸上自衛隊の的場一佐以下小隊。しかし真相は、ある極秘実験に参加中、事故が発生。それにより、彼らは戦国時代にタイムスリップしてしまったのだ…!
再び準備や条件が整い、的場の元部下の鹿島にも協力が要請させられ、戦国時代へタイムスリップする救出ミッションに向かう…!

オリジナルを見たのはもうかなり前。それでも、破天荒さやインパクトだけは覚えていた。(尚、本作を見るのも劇場で観て以来久し振り)
詳細はほとんど忘れたが、変更点は何となく。
前作はタイムスリップした小隊の戦国サバイバルだったのに対し、本作は救出ミッションがメイン。
戦国時代、調達ナシでも動いていた前作の近代兵器。今回はちゃんと調達方法あり。(でも、都合よく原油出るんかいな…?)
現代に戻れるまでのタイムリミット。
あの戦国武将らも若き意外な形で!
遂に再会を果たした的場。が、その的場は…。
ベストセラー作家・福井晴敏ならではの新解釈。

監督はゴジラ2000(ミレニアム)シリーズの手塚昌明。
同シリーズよろしく、自衛隊全面協力。本作でもこの監督のミリタリー気質が大爆発。
本物の自衛隊、CG、さらに壮大なオープン・セットが造られ、クライマックスは迫力と見応えあるアクション・シーン…いや、合戦シーンが設けられた。
キャストでは、鹿賀丈史と北村一輝が存在感あり。
特に、北村一輝は儲け役。
文句ナシのエンタメ作!…と、言いたかったのだが…。

確かに最高の素材を揃えている。
でも、どう言ったらいいか…。
例えば、最高級レストランの具材で我々が料理を作ったら、平凡な料理しか作れなかった、そんな感じ。
まず、演出がチープ。ミリタリーの作風はカッコいいんだけど、それ以外のドラマ部分はステレオタイプなんだよなぁ…。特撮畑出身の監督が皆必ず通る道。手塚サンも頑張って!
鹿賀、北村以外のキャストの演技が褒められたもんじゃない。主役の江口洋介は“熱い男”の一本調子。中尾明慶のド下手さにドン引き…。
的場のやろうとしている計画が酷すぎて、まるで漫画の悪役。それに対し、熱く正論を叩き付ける鹿島も漫画のヒーロー。
勧善懲悪、本当に漫画の世界。ちょいと説教臭さも。
荒唐無稽だったオリジナルにリアリティーを付け足したのはいいものの、部分的には漫画みたいだったり。何かちぐはぐな印象。
突き抜けた面白さはオリジナルの方がやはり上だった。

その両者が巧く合わされば、最高の『戦国自衛隊』になるんじゃないかと思うのだが…、
どうだろう??

近大