「構成のバランスが良くない」蝉しぐれ Gustav (グスタフ)さんの映画レビュー(感想・評価)
構成のバランスが良くない
下級武士を主人公にした藤沢文学の映画化。期待して観た分落胆も大きい。黒土監督の真面目で丁寧な映像作りは認めるも、映画の表現力に新たな良さを見付けられず。前半の少年時代と後半の藩の抗争に活躍する青年期がほぼ同等に扱われているのが、作品全体の重量感を大きく殺いでいる。少年時代の若手二人の演技が未熟なのは仕方ないとして、演出でカバーしていないので余計に稚拙に見える。細かいカット割りでアップサイズを多用すべき。前半は緒形拳だけで持っているようなもの。後半は染五郎(七代目)と加藤武で何とか観れる。
映画の題材としては最適なものと想像するが、後半のウエイトが弱すぎる。
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