「低予算映画、しかし傑作映画」ソウ といぼさんの映画レビュー(感想・評価)
低予算映画、しかし傑作映画
ホラー(特にグロ系)が苦手なため今まで視聴する勇気が無く、今更ながら初視聴しました。
今まで観なかったことを後悔するくらい、素晴らしい映画でした。
視聴前に懸念していたグロ描写ですが、実際観てみるとグロいシーンはほとんど無く、数少ないグロシーンも直接的な描写を避けていたためグロ嫌いの私でも問題なく視聴できました。
私はてっきりゴードンとアダムが閉じ込められたバスルームだけでストーリーが進行するのかと思っていましたがそうではなく、監禁された二人と猟奇犯ジグソウを追う警察官の話が同時進行的に繰り広げられ、二つのストーリーで得られた情報がパズルのように組み合わさって事件の真相が見えてくるという構成になっています。
ホラーというよりもサスペンスやミステリに近いです。随所に散りばめられた伏線がラストに綺麗に回収されるのはホラー映画には似つかわしくない清清しさや爽快感を感じます。
監督のワネルと脚本・主演のワンは「製作予算を決めてからストーリーを考えた」と語るように、この作品は低予算映画です。セットや演者にお金を割けない分、画期的なアイディアと緻密な脚本によって映画のクオリティを高めている、「低予算・傑作映画」です。
私のようにグロやホラーが嫌いで敬遠している方がいるならば、ぜひ観てほしい。
緻密に練り上げられた脚本や鬼気迫る役者陣の演技は一見の価値ありです。
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