「インパクトは十分。」レクイエム・フォー・ドリーム rockoさんの映画レビュー(感想・評価)
インパクトは十分。
浅はかな夢を見て転落して行く人たちの話です。日本だとあまりこういうことが少ないのかもしれませんがアメリカだとこういうことも良く起こりうるのかな。
アメリカ国境付近のとある町に住んでいるんですが、そういえば治安の良くない地域で仕事仲間の手伝いしたとき(怪しい仕事ではないですよ)に、こんな感じの人いっぱい見ました。ドラッグで頭がイカれて近所中ペンキでベンチや電柱柱などを色とりどりのペンキで四角ばかり描いている麻薬の売人の弟。建物の修復でやってきた溶接屋のお兄ちゃんが上半身裸の全身タトゥーで、クラックが切れたら買いに行くんだけど、その後は興奮して歯軋りすごかったり、まあそういう基本的なモラルが希薄だったり家族やコミュニティーのバックアップのない人たちの現実はこんなものなのかもしれないですね。基本的に西洋って個人主義だから落ちるときは見事に落ちる。そういう人たちを描いた物語なのでしょうね。
主人公たちがどんどん正常な判断を失って迷走して行って、どこかでストップがかけられるんですけど、それが刑務所だったり片腕を失ったり病院にいったり、でも早いうちにそういう機会に恵まれた人は幸運で、主人公の彼女はまだまだ転落していくんですよね。確かに人生ってそうなのかもしれません。もしかしたら自分にもそういう日がくるんじゃないかと思うと怖い映画です。
ただ飽きずに楽しめたしインパクトも十分でしたが、全体的に何かが足りない感がありました。見せ方の問題なのかな?ぐっと真に迫るようなところがもっとほしかったです。
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