パプリカのレビュー・感想・評価
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改めて凄い作品
文芸坐での記念上映で行ってきました。
今敏監督四作目の劇場作品、そして遺作でもありますね。
夢を共有できる装置を巡る、幻想的なSFサスペンス作品。
何より今敏の集大成感がすごいです。
「パーフェクトブルー」や「千年女優」などにみられた虚実曖昧な境目が、これ以上ないくらいにダイナミックに広がっていました。
また声優陣が本当に分厚く、この面子の芝居だけでも何だか贅沢。
それとアイディアに満ちた、刺激的なビジュアルが実に冴えてます。
そんな今敏の幻想的な映像と、平沢進のサウンドがものすごいフィットしているんですよね。
これはのちに知ったのですが、先に音楽を作ってもらいそこに絵を当てて仕上げたらしいですね。何かすごい納得したのを覚えてます。
それにしてもこれを観ると、やはり亡くなった事が惜しまれますね。
改めてすごい作品でした。
惜しい人
めまぐるしく変わるイメージの氾濫。
特異な設定の中に人間臭い感情も交じり。
なんともいえない薄気味の悪さも日本ならではのモチーフをふんだんに盛り込んでこの映画化を海外にもっていかれなくて良かったとまで思う。
大筋というか、オチは案外、あ、そこ?って気にもなりますが。
何よりもこの豊かなイマジネーションをもった原作者筒井さんが絶筆してるのが
心から悔やまれます!
昼メロなんか出なくていいいから、書いてくださいよ…!
インスピレーションと多幸感
圧倒的な想像力と表現力。不気味なキャラクター造形。エピローグは綺麗に物語としてまとめられているけど、多層的に観客を作品の中へ引き込むような構図が見えて、実験的意図が完全に成功した稀有な作品だと思います。
ドリームランドと共に終わった。
クリストファー・ノーランの『インターセプション』は、このアニメに影響受けていると思う。不条理で、しかも、ストーリーに大きな落ちはないが、極力、CGを使わない所が評価できる。
2006年の公開だが、スペシャルウイークがポスターになっていた。もっとも、馬主が違うし、年代が違う。隣のレース結果の瞬間は、仮にスペシャルウィークを差し切った馬と仮定すると、1999年12月26日の有馬記念で、スペシャルウィークを差し切った伝説の名馬『グラスワンダー』だ!
有馬記念のその時の個人的収支は、マイナスだったが。ディープインパクトと同様に伝説に残るレースだと、個人的に感じている。
さて、このアニメは色々なアニメや映画の良いところをかき集めた良い作品だが『平成ポンポ○』と『ええじゃない○』ダネ。
所で、『ロボットドリームランド』が登場するが、横浜にあったドリームランド(くるみ割り人形を意識していたはずだ)を覚えている方はいるだろうか。幼い頃(多分、今から60年くらい前に)親父に連れられて、行ったのを思い出す。開園直後だったのかもしれない。その後、スペシャルウィークのレースの頃(20世紀末)行った事があるが、閉園間近だった記憶がある。私個人の夢は時田くんの様には行かずに、ドリームランドと共に終わった。モノレール乗りたかったなぁ。
夢の世界の支配者。
天才科学者時田が開発したサイコセラピーマシンDCミニ。その装置は他人の夢の中に侵入できる画期的な発明だった。しかし、このマシーンにはそれ以上の能力が備わっていた。
装着を繰り返した人間は覚醒したままでも他人の夢の中に侵入でき、その意識下にほかの夢を植え付けることもできるという。
現実社会を悲観し夢の世界こそけして侵されない聖域と誇大妄想を抱いた黒幕の理事長はこのDCミニによる自身の世界への侵食を阻止して逆にこれを利用し夢の世界の支配を目論む。
現実世界では不可能でも夢の世界では支配者になれると考えたのだろうか。
原作は1993年から連載された小説。いま見ると他人の意識下に自分の夢を埋め込むとか、夢から醒めたと思ったらまだ夢の中だったとか、「インセプション」の元ネタに使われたのかも。
十代の頃にハマった筒井康隆作品。フロイトやユングの夢分析なんかは彼の小説で知ったくらい夢は彼の小説に度々モチーフとして使われていたように思う。
本作の原作は読んでないけど、とらわれたパプリカが皮膚の下に手を突っ込まれて身体をまさぐられるシーンは筒井氏のスラップスティック小説の一場面を思い出す。
今となっては「ザ・セル」とか「インセプション」みたいな他人の意識や夢に侵入するという作品が多く作られているが執筆された時期を考えるとやはり筒井氏の先見性には目を見張るものがある。
黒幕である理事長の口からはなにかと「支配」とか「テロ」なんて言葉が出てくる。テロを警戒する者、それはテロによって脅かされる体制の側の人間である。
テロの危険性を声高に叫びながら実は自分の野望のためにテロを起こしていたという矛盾。ありもしない他国からの侵略を警戒して戦争に突き進む為政者の姿を彷彿とさせる。
夢と現実の境界線が失われたようなクライマックス、DCミニの影響が大きくなって世界中の人々が覚醒したまま同じ夢を共有してしまったがために現実と夢が混在したような状況になったのだろうが、そうなる危険性をセリフでもいいから伏線として描いておいて欲しかった。
確かにアナフィラキシーで装置を装着しなくても敦子が夢の侵食を受けたというくだりはあったけど、世界中の人間までがいきなりそうなるのはちょっと飛躍しすぎでは。観客もあの展開にいまいちついてこれなかったのではないだろうか。
あと、敦子が理事長を夢ごと吸い込んで解決してしまうあたりもいまいちわからなかった。原作は読んでみようと思う。
映像はさすがに今監督作品だけに素晴らしい。筒井作品独特のシュールリアリスティックな世界観を表現するにはやはりアニメーションでなければ難しいだろう。実写化されたものは「時かけ」以外ろくなものがなかった気がする。
私の理解力が乏しいのか理解させようとそもそも監督が思ってないのか ...
私の理解力が乏しいのか理解させようとそもそも監督が思ってないのか
夢の中に入るとパプリカってヒーローになるってこと?
はあ?分からん
なんか殆どのキャラが鼻につくし愛嬌なし
かわるがわる繰り出されるシーンは色鮮やかで面白いけど
一生え?なに?が繰り返されるのである
上映当時に観るべきだった
ヒロインの画から何となく観なかったけど、高評価から原作、予備知識ナシで鑑賞。映像、音楽、声優どれも良かった!二役のギャップ(声優さんのおかげ)や細やかな仕草でヒロインが特に可愛かった。他の作品も観てみたい。
夢とは儚いのです。
~さよなら興行~「テアトル梅田を彩った映画たち」にてリバイバル上映。
存在は存じ上げておりましたが初鑑賞です。ずばりめっちゃ面白かった。と、言っても多分半分も理解できてないけど。日本が世界に誇る大人向けアニメーション。
他人の夢をスキャンしてその中に入り込むことで精神的な治療を行うセラピー機器DCミニ。しかしそれが何者かに盗まれ悪用されてしまう。現実世界と誰かの夢の中を縦横無尽に飛び回るパプリカ。ストーリーはかなり難解ですが、映像はさすがのクオリティ。色彩豊かで細かな描写、加えてちょっとグロい。あとパプリカがかわいい。
現実なのか夢なのか。その区別さえつかなくなってゆき、やがて正常な生活を送れなくなってしまう。どれだけ素敵な夢でも夢は夢。人の夢と書いて儚い。そういうことです。
難しいス!
とても難しい。
構造が何層にもなってて、
頭がぐちゃぐちゃになるんだけど、
それは今敏監督の意図のようにも思える。
君はどこまでついて来れますか?と問われてるよう。
なので、この作品はまずは映像美、構図、演出を
何も考えずに楽しむ事。まずはそこなのかな?と
思いました。
分かったふりもせず、分からないけどすごかった。
これで良いのかな?って感じです。
ただ、監督はパプリカを踏まえて千年女優を作られた
のかなとも思いました。
もっと分かりやすく誰にも分かるように、
だけど画面転換の演出はパプリカでやった事を。
そんな気がしました。
今敏監督の頭の中を少し覗けたような気もする
作品でした。
原作好き、監督も好き、キャストもしっかりということでハードル上がりまくっていた
劇場公開時鑑賞。原作既読。「夢」も筒井作品でよく取り上げられるが、DCミニのようなSFガジェット使ってるのはあまり無かったように思う(読んでないだけかも)。
原作とは違う方向だが、弾けた悪夢的なイメージの本流は「妄想代理人」からの流れだったのだろうか。パプリカに仄かなエロスを感じる。男性の願望というほど単純ではなさそうだけど。
今敏氏の最後の長編映画になってしまったことだけが残念。
【夢と現を、SF要素を全面に出して描き出した大友克洋等、後年のアニメに影響を与えたと思われる作品。精緻な描写にも驚かされる作品でもある。】
ー 「PREFECT BLUE」「千年女優」など、ハイクオリティかつ奥深い作品を生み出した今敏監督。
46歳という若過ぎる年齢でこの世を去った彼が最後に手掛けた長編映画。
だが、この稀有な監督の魂は、後人に受け継がれたと感じた作品である。ー
■財団法人精神医療研究所から、他人の夢を共有できる画期的装置・DCミニが盗まれる事件が発生。それと時を同じくして研究員たちが精神に異常をきたすように。美貌のセラピスト・敦子は、パプリカという名の女探偵となり、人の夢の中で犯人を追う。
◆感想
・筒井康隆氏の原作は読んでいた。
だが、あのスケール感を映画化、映像化していた方がいた事は知らなかった。
・今作の画の細やか過ぎるトーンは、容易に大友克洋氏を想起させる。
- 今敏監督が、大友克洋氏に影響を受けたのか、その逆なのか・・。
だが、今作の夢と現を描くシーンの細やかな描写は、魅力的である。-
・今作を彩る、エレクトロポップは、”P-MODEL"を牽引した平沢進氏が担当されている。今作の近未来感を創出されている事に、大きく寄与している。
<今作は、資料を見ると2006年の公開だそうである。驚きである。
全く古臭さを感じさせない、斬新的な作品構成に驚かされる作品である。>
ずっと気になってた作品
ふと時間が空いたので鑑賞
いやー、、、食らったっていう感覚が1番かな。
なんか、ワールドを浴びた感覚。
平沢進の音楽が良かった。
ただ、自分の中にしっかり咀嚼できて落とし込めたのかは分からん。
なんか、感じた作品だった。
夢に入り込む感覚
どんどん設定にハマっていき、世界観に浸かれる作品
折り重なる映像の中で夢が表現される。自分の夢もこんなもので誰から観ても夢というのはこんなに秩序のないものなんだなと思うことができた。
ストーリーの中で疑問に思うことがちりばめられているが解決されていく。それは少々観る側の考える力に委ねられている所もあるがそれが心地いい。
もともとノーラン監督のインセプションが大好きで、パプリカに似ているところがあると聞いて観た。両作品の夢への捉え方がよく似ているためパプリカの設定にもすんなり入れた。
またリンクするシーンも多くあり、エレベータを使用するシーンの使い方はハッとした。
ストーリー展開も飽きがないため、1時間半でよくまとめられた作品だと感じた。
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