「『ジャパニメーション』というジャンル映画」パプリカ いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
『ジャパニメーション』というジャンル映画
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勿論、アニメは表現方法であり、1ジャンルに収まることはない。只、海外、取分けヨーロッパでの日本のアニメの人気はやはり日本と同じ幼児期のテレビアニメがベースと成っているが故、その表現の可能性の広さに、文学的思想的、そして哲学的な意味合いを織り交ぜることを寧ろ自然とすることに共感が得やすいのかもしれない。欧州の映画の雰囲気も又、日本のアニメとの親和性みたいなものを受容れる素養も高い。
それは宮崎監督、高畑監督、押井監督、庵野監督、細田監督、新海監督、片淵監督等々の評価の高さが物語っているが、だがしかし、改めて今作品を拝観するにつれ、まだまだ日本のアニメの底力、プロダクトの幅広さ、企画を推進する強さを持った制作者達が数多くいることを改めて思い知らされる。今監督がもしご存命ならば、未作品の完成を経ての、もっと高みの表現作品が生まれていただろうと、返す返すも残念な至極なのである。
『イノセンス』が、2004年、今作品が2006年なので、非常にその発表時期が近いが故、なんとなくイメージとしての相似性が感じられる。マイナーでメランコリック、まるでブラジルのサウダージな感情をインクルードしている。特にパレードのあの虚無感は通づるところがあるのではないだろうか。
スラップスティック要素も含まれているこの作品は、埋もれるには勿体ないアニメである。
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