劇場公開日 2006年8月5日

森のリトル・ギャング : 映画評論・批評

2006年8月1日更新

2006年8月5日より渋谷東急ほか全国松竹・東急系にてロードショー

可能ならば吹き替え版を見ていただきたい

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ドリームワークス・アニメーションは、元々2D作画アニメ用に作られたグレンデールのスタジオと、26年の歴史を持つ3DCGプロダクションのPDI社を買収した、レッドウッドのスタジオから構成されている。本作はグレンデールの仕事だが、「シャーク・テイル」(04)で3DCGを完全マスターし、両スタジオ間の技術格差を無くした。そして、PDI社が持っていたシリコンバレーの開拓者精神が受け継がれ、今回も考えつく限りの新技術が満載されている。ピクサーが「技術的に面倒なことはアーティストがフォローすれば良い」という考え方なのに対し、ドリームワークスは物理的な計算で真向勝負する。どちらの考え方が正しいというわけではないが、ピクサーも結局は5年後ぐらいに後を追う形になってきた。

そういった技術面ばかりでなく、演出やアニメート、ギャグセンスに関しても、ドリームワークスは本当にレベルが向上した。今、全米のアニメスタジオの中で、最高水準にあると言っても過言ではないだろう。脚本も実によく構成されており、可能ならば吹き替え版を見ていただきたい。字幕版ではフォローしきれていない、緻密に練り込まれた伏線の数々に気付かされるはずである。

大口孝之

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