劇場公開日 2022年5月6日

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「こりゃ、とんでもない作品を観ちまった」オールド・ボーイ(2003) septakaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0こりゃ、とんでもない作品を観ちまった

2010年3月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

『渇き』
2月27日公開にあわせ、
パク・チャヌク監督復讐3部作の記念上映を開催。

『渇き』が不思議な作品でしたので、
他の作品にも興味がわきポイントカードの
ポイントを利用して、無料で鑑賞してきました。

劇場は、仕事帰りのサラリーマンを
中心に10名ちょっといらっしゃいました。

☆彡     ☆彡

なんですか
この圧倒的なパワーは
凄すぎるとしか形容しようがないな・・・

2004年カンヌ国際映画祭でグランプリ
原作は日本の漫画のアクション・サスペンス

鑑賞後に、このふたつを知りました。

なぜ日本で映画化しなかったの?

内容からみるに映画化不可能と考えていたのでしょう。

友情
兄弟愛
親子愛
口は災いの元

文字にすると簡単で単純に見えますが、
これを想像もできない角度から切り取られていきます。

序盤はチンプンカンプンで
徐々に秘密が明かされ、なぜ、
このようなことを起こしたのかが“わかってきます”。

ただ、今もって
自信を持ちきれないのが
“わかった気になっているだけ”
なのかもしれないとの思いが頭の底に横たわり続けています。

作品の裏テーマとして、

人間は他人のことはわからない
人間は自分のこともわからない

そんなものもある気にさせられます。

問題作
衝撃作

こう括るのに我ながら不満も残るのですが
そうとしか表しようもないのが事実であり
もし観たとしたら、それぞれが、それぞれの
ことを感じてくださいとしか言いようがありません。

◇   ◇

『渇き』でも
感じたのですが、
パク・チャヌク監督。

音楽の選択
女性を艶かしく撮る技術

このふたつに感嘆させられました(驚)

特に、後者なんですが、
ただ、美しいだけじゃないんですね。

スクリーンから色香を感じてしまうんです。
気がつくと、スクリーンに見入ってしまっている自分がいるんです。

『渇き』の
キム・オクビンさんも
烈しい性描写シーンに
全身全霊で挑まれ各映画祭で
主演女優賞を獲られています。

今作でも同作でも
性描写から嫌らしさやエロさを、あまり感じないんです。

感じられるのは、
生を求める圧倒的な力
神々しいまでの艶かしさ
おもわず見惚れてしまう美しさ

なのです。出演女優も、
ここまで艶やかに撮ってもらえれば、本望でしょう。

☆彡     ☆彡

兄弟とは
親子とは

映画のシーンが
熱を保ったまま脳裏に焼きついています。

自分の気づかないところで
他人を傷つけているかもしれない

上映終了後、
誰も口を開かず
無口なまま退出されたのも無理はありません。

凄まじい作品をありがとうございました。

septaka