「でも知ってるかね?神の力は、科学の限界を超える」きみに読む物語 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
でも知ってるかね?神の力は、科学の限界を超える
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映画「きみに読む物語」(ニック・カサベテス監督)から。
さすがに、全米でロングラン・ヒットを記録した作品だけある。
久しぶりに胸が熱くなり、鑑賞後、傍にいた妻の手を握った。(涙)
病状の悪化を出来るだけ遅くするしか処方がない、
そんな「認知症」は治らない、と、私は知識として知っている。
それを、ある物語の読み聞かせを、献身的に繰り返すことで、
ほんの一瞬であるが記憶が戻った話、と言えば簡単だが、
その物語には、多くの心が動く会話、風景があった。
「認知症」の症状を告知されても、医師に向かって男性は答える。
「でも知ってるかね?神の力は、科学の限界を超える」と。
「愛は、不可能を可能にする」、そんな言葉に等しいのだろう。
この作品を思い出すには、相応しいフレーズだと思う。
部分的には、ラスト間近の夜の療養施設シーンが好き。
当直勤務をしているナースが、彼女に会いたがっている彼に呟く。
「今夜は会わせられないわ。お部屋に戻って。(義務的に)
私は、コーヒーを入れてくるわ。しばらく席を外すけど、
バカはやらないで」(私の知らない間に、会ったということにして)
映画だから、と割り切るのではなく、この粋な計らいが、私を喜ばせた。
また数年後、観直したいと思う作品のひとつである。
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