「恋人同士で観に行くのはやめたほうがいい。80歳になる主人公と比べたら、彼の愛情の深さにかなうわけがないからだ。」きみに読む物語 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
恋人同士で観に行くのはやめたほうがいい。80歳になる主人公と比べたら、彼の愛情の深さにかなうわけがないからだ。
いつから痴呆症状が現れ始めたのか、いつから同じ物語を聞かせ続けているのか、細かい描写は無いものの何も思い出せない老女アリーへの献身的愛情の偉大さに感動してしまった。古き良き時代のストレートな愛だけでも十分に感動できるのであるが、年を重ねるにつれ忘却と戦い、奇蹟と未来を信じるだけの男の人生に心打たれるのです。
人間が他の動物と違う点に「忘れることができる」能力を持っていることだ、という主張を何かで読んだことがあるが、アルツハイマーという病気は楽しかった記憶、大切な記憶までをも奪ってしまう。近しい者は、人間として介護するのが当然だと思うが、残りの人生を一緒に過ごすことに心血を注ぎ、楽しかった記憶をとりもどそうとする努力までには行き届かないものだ。介護に疲れて家族を殺すという事件さえ起こってる世の中で、純愛を貫き通し、愛情を注ぎ込むという単純なことがこれほどまでに素晴らしいことだとこの映画は教えてくれたように思う。
正直言って、若い二人のキャスティングや富豪と労働者のカップルという設定には魅力を感じなかったのですが、年老いた二人(ジーナ・ローランズとジェームズ・ガーナー)が最高でした。往年のハリウッド女優は痴呆役をこなせるかどうかで真価が問われますね。ガーナーと言えば『大脱走』しか覚えてないのですが、泣かせるいい役だったなぁ・・・懐かしい。
かいりさん、コメントありがとうございます。
当時映画館で観たのですが、
恥ずかしながら大泣きしてしまい、
ケミストリーのエンディング曲の間に涙をふくのに必死!
テレビでやってたらぜひご覧になってください♪
この作品のペーパーバックを学生の頃授業で読み、逆に映画を観れませんでした。心打たれて、半ば放心してしまい。愛を貫くというシンプルなことが、難しいとか考える前に本能で動ける人間になりたいものです。
あ、なぜかフォローが外れておりました。すみません。