地獄の門のレビュー・感想・評価
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何が何だか
ゾンビといえばロメロかフルチかっていうほど有名な監督、ルチオ・フルチによる作品。
第一印象、とっ散らかってやがる…。ストーリーがあっちこっち行ったり来たりで、何視点で観れば良いのかよくわかりません。よくわからないままストーリーは進んでいくのですが、説明不足に描写不足で終始「?」を頭の上に浮かべつつ鑑賞する羽目になります。
そして何より大事なこと。ゾンビ映画なのに怖くない。なぜ怖くないのか。音楽のせいです。これは自信を持って断言します。音楽が緊張感を薄めて恐怖を削いでしまっているのです。各場面に合った音楽を添えるべきところ、同じ曲の使い回し。しかも怖くないやつ。せっかくのグロシーンで「あ、またこの音楽流すのね…」と冷めてしまいました。映画における音楽って本当に大事。それと、耳障りな「ボェー!」って謎の音、しつこい!
グロ描写だけに焦点を当てればなかなか見応えはあります。ゾンビが人間の後頭部を脳みそごと握りつぶしたり、こめかみドリルとかは良かったです。あと、地下へ降りてからの展開はおどろおどろしい雰囲気満点で非常に良かったです。ただ…やっぱり音楽が気になる…😢
とっ散らかった脚本、ワンパターン且つ淡白な音楽、耳障りな謎の音の数々…。グロ描写と終盤の展開が良かっただけに、それらの点が悔やまれる惜しい作品でした。
ゾンビホラーというよりは
本作の怪異、確かに「生きている死体」ではあるのですが、ゾンビというよりは「めちゃくちゃ汚い悪霊」という感じです。
テレポートとかするし。
ストーリーも全体的にかなり散らかっていて、様々な怪奇現象があまり脈絡なく起こり、とりあえず飽きはしなかったですが、「面白かった」のかと言われるとなんか違う気がしますw
カルト的作品
一応ゾンビ映画の括りに入れられている本作は、ルチオ・フルチ監督の「ゾンビ三部作」の一本だ。直接的な続編では無いが、前作「サンゲリア」の単純明快なゾンビ映画ではなく、神父の自殺という背徳行為を行ったせいで地獄の門が開くというオカルトホラーである。死者が蘇るのは分かるが、風貌が完全にゾンビであるのだ。彼らは死肉を食らうことはなく、あくまでも亡霊の類いのため、テレポーテーション的能力を持っている。そして、何故か人々の後頭部を鷲掴みにし、頭蓋骨を握り潰して脳みそを引きずり出すのだ。
普通、呪うだとかの精神的なダメージを与えてくる存在な気がするが、物理攻撃をしてくる横暴な亡霊達である。恐らく「サンゲリア」で味をしめたフルチ含む製作陣の余力が有り余っていたのだろう。
基本的にその悪の根源を止めようという物語なのだが、霊能者と新聞記者、蘇った姉に両親を殺され、執拗に付け狙われる少年目線で物語が進み、唐突にショックシーンを見せられる展開が続く。あらゆる視点から一つの恐怖を描くとかなり高度なストーリー展開が必要となるが、ギリギリ保っている様な内容のため、とっ散らかった印象が強い。どうやら単純にゾンビだ逃げろの方がこの手の物語は緊張感が持続される様だ。
脳天ドリル突き刺しに内臓ゲロ。
とにかくあまり意味なくショッキング映像満載。が、今みるとあまり怖さはない。神父の自殺がなぜ地獄門解放に繋がるのか、根本的な意味合いがあまりピンとこない。ベルばらカトリオーナマッコール、こんな作品ばかりいろいろ出てたよなー、と。
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